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2009年12月22日 (火)

ニコン F-301

F301_2  本カメラの第一印象は「ニコンらしくないな」であった。ニコンらしいとは尊大で硬派なイメージだ。本カメラは直線基調ながらも角が丸まり、プラ製外装も見方によってはチープに見える、軟派でヤングなイメージだ。こう言った印象は拙僧に限ったことではなく、ニコン民族のうるさ方の方々の本カメラに対する評価はイマイチなようだ。本カメラが「New-Way 遊び心・優先」と言うキャッチフレーズコピーで登場したと知ったのはずっと後の事である。本カメラはニコンの新しい方向性を確かに示していた。それはオートフォーカスと言う方向性である。

 尤も、本カメラはオートフォーカスカメラではない。本カメラはニコンの一眼レフカメラとしては初のモードラ内蔵のカメラであったが、同時にオートフォーカスユニットを搭載したF-501AFと平行して開発されていたのである。本カメラとF-501AFはシルエットの殆ど同じとしており、共用部品も多いようだ。何故、オートフォーカスの目処が付いていたにも拘らず、体を同じにするマニアルフォーカスカメラが開発されていたかと言うと、当時は果たして一眼レフカメラにオートフォーカスが必要なのかは議論されていたようなのである。実際、フォーカスエイドと専用レンズを組み合わせてオートフォーカスを実現したカメラは複数のメーカーから登場していたが、レンズ内の駆動ユニットが嵩張ったり、そもそものオートフォーカスの性能がイマイチであったりして成功しなかった。キヤノンのT-80は割りと良くまとまっていたと思うのだが、それでも後に続くような発展はしなかったのである。ニコンは自社の一眼レフカメラにオートフォーカスを搭載するには慎重だったようである。

 そこでまずはモードラ内蔵の本カメラを発売し、その後、モードラとオートフォーカスを搭載したF-501AFを発売する事にした。多分、オートフォーカスのF-501AFが残念な結果になっても金型を共有するF-301がそこそこ売れれば元が取れると踏んだのであろう。しかし、F-301の発売直後、悲劇が襲う。それはミノルタα7000の登場である。既存のシステムに捉われず、オートフォーカスに特化したシステムは斬新であり、爆発的なヒットに繋がった。ミノルタの大成功の後に発売されたF-501AFは既存のシステムに縛られた中途半端なオールドタイプのカメラとして甘んじることに至ったのである。ましてや、マニアルフォーカスの本カメラの評価は言わずもがなである。

 しかし、本カメラはもっと評価されてもよいと考える。マニアルフォーカスの方が都合が良い被写体も存在するし、マニアルフォーカスに慣れたユーザーならフォーカスポイントに制限された撮影よりマニアルフォーカスの方が素早く撮影できる。これはフォーカスポイントを増やせばよいと言う問題ではない。何しろ、FMやEMのモードラの価格帯でボディが手に入るのだから、こんなありがたい話は無いのである。

 それにしても、コニカFSにしろペンタックスA3デートにしろ、凡そ初のモードラ内蔵一眼レフカメラと言う物は正当な評価を得ていないようである。そう言えば初のオートフォーカスカメラであるピッカリコニカは手動巻上げであった。自動巻上げと言うのは安直な自動化と受け止められているようである。

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