常州相照机総廠 紅梅 HM-1
紅梅については随分前に一度報告させていただいた。詳細を報告させていただくには何本かフィルムを通してからと思いつつも半年も過ぎてしまったのが恥ずかしい。ネタも尽きてきたので写真は少ないがコンテンツを作らせていただいたのでご覧いただきたい。
拙僧がカメラ人生にデビューした頃にはペンタックスやマミヤの645判一眼レフが既にAFになっていた。カメラ雑誌によれば中判はライカ判に比べて大きなフォーマットを持ち、情報量の多い精密な写真を得る、上級者のカメラとされていた。しかし、そもそも中判カメラは裏紙で巻いただけのフィルムにオートマットも未搭載のシンプルな構造を可能としており、貧者の味方という一面も持っていたのだ。高度成長期の初期に日本で流行ったように、文革時代の疲弊した中国人民(老百姓)にとって心の拠り所となるプリミティブなカメラが本カメラであっただろう。何も高品質・高性能ばかりが心を癒すものではない。
それにしても時代は一巡も二巡もしたのだろうか、今では中判フィルムを装填していると名古屋の若い連中に「ホルガのフィルム」と指を指される始末である。拙僧にとっては中判カメラが写しだす空気感は、結局のところ不安定なフィルムの平面性や解像度の低いレンズによって偶発的に得られるものだと思っているので、それほどネガティブな評価ではない。漢字で刻印された「紅梅」の文字や赤く刻まれた花のアイコンがキュートであるというのが、本カメラを手に取る積極的な理由であるのも良いことだと思う。
最近では中国もレトロブームなのか初期の海鴎4Aもいい値段で売られているから、そのうち本カメラも値が上がるかもしれないな。
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コメント
素敵なカメラじゃないですか。
やっぱり「G」は発音しないんですね。
投稿: nakky | 2011年2月28日 (月) 22時18分
まだフジが中判カメラを出しているので、もしかしたら35mmより120mmの方が残るかもしれないですよね(笑)
投稿: ロック | 2011年3月 1日 (火) 15時39分
どもども、nakky殿。
案外、実用にもなりますよ。
中判目測蛇腹カメラは、イイ物(ひとまず動く物)が揃ってきたので稼働率を上げたいですね。
中判のタンク+リールが手に入ると嬉しいのですが。
投稿: Rikkie | 2011年3月 1日 (火) 18時18分
どもども、ロック殿。
例のフジのフォールディングカメラですが、海外ではフォクトレンダー銘で売っているんですよ。
細かいところは分からないんですが、ひょっとして日本のフォクトレンダーが作っているんですかねえ?
あそこは中判カメラとは縁遠いと思っていたのですが。
投稿: Rikkie | 2011年3月 1日 (火) 18時20分
中判で目測ですか
さすがです!
自分は上手に使えそうにありません
でも、ほ・し・い(笑)
ハルビンでカメラ市があると聞いたので
暖かくなったら行ってみようと思います
投稿: M | 2011年3月 4日 (金) 06時57分
どもども、M殿。
単体距離計も持って行ったのですが、自分の感覚を再確認するくらいで、あまり使いません。単体露出計と同じですね。
中判目測カメラは安いので、是非チャレンジを。
哈爾濱のカメラ市とは興味深いですねえ。あちらは湿度が低いですから、カビの類は害が少ないのではないでしょうか。
北京や天津では見られなくなった露天商なども残っていそうですね。
投稿: Rikkie | 2011年3月 4日 (金) 21時15分