オリンパス ワイド
1950年代に広角レンズ系ワイドカメラが流行った。広角レンズとは言っても焦点距離は35mmである。現在だと「僕の標準は35mm」などと、いけ好かないプロカメラマン兼ライターが嘯くのだが、半世紀前には35mmは立派な広角レンズだったし、それをオフセットしたカメラというのは存在しなかったのだ。その口火を切ったのが本カメラなのである。いや、イルフォードのアボドケイドがあるではないかと事情通の皆様は仰るだろうが、1950年代の日本において、英国のカメラと言うのは影響下には無かっただろう。兎も角、本カメラが登場後、ミノルタオートワイドとかマミヤワイドとかワイド系カメラが登場することになる。
実際の所、拙僧は広角レンズ機のパイオニアとしてよりも、武骨で左右シンメトリーなスタイリングが好きで本カメラを複数所有している。ネットオークションでは距離計を搭載していない本カメラは「コンパクトカメラ」のカテゴリーに入れられてしまうのだが、金属製マッスも立派で、とてもコンパクトカメラとは言えないな。この種のカメラをメインにしてスナップに勤しみたい気分はあるのだが、拙僧は一度に5~6台のカメラを携帯しないと不安になる病気なので、その重さから全く使っていなかった。
そこで、思い切って地方祭りに動員したのだが、肝心のネガの処理を失敗してしまうのである。それでもパソコンのソフトウェアというのはありがたい物で、スキャナーでネガを読み込んで、軽くガンマ補正をかけたらそこそこ見れる画像になった。
コンテンツもご覧いただきたい。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
昨今のデジカメだと、コンパクトデジカメで「レンズ固定式」だと、ものすごくマニア向けの高性能カメラで、かえってズーム付きコンパクトより高価ですよね。
35mm専用でフルサイズともなれば・・・
レンズ次第ですが、このレンズだと15万は行けますね(笑)
「オリンパスワイドD」とか・・・
・・・まぁ出ないでしょうねorz
投稿: nakky | 2012年10月22日 (月) 17時46分
うちのは、レンズがズイコー曇りで盛大にフレアーが出ます。
カメラ自体は良いんですけどね。
残念です。
投稿: ゲルベ | 2012年10月22日 (月) 21時50分
痺れるですね、カッコイイですね、実に。
親父が昔使っていたらしいのですが、私は目測にはめっぽう弱く、距離計がないことに不安を感じ、憧れを抱きつつも指をくわえてみておりました。
ライカのMDやIgにワイドレンズを付け、辻斬りなんて物騒なことを言って通りすがりの女子をとっていた野郎どもより、オリンパスワイドを粋に使いこなす人の方がどれだけかっこいいことか!!
投稿: 横須賀与太郎 | 2012年10月22日 (月) 23時56分
35mmは使い勝手の良い画角ですね。
もし、一つだけ選ぶとしたらやっぱり35mmかな〜?
投稿: KOH | 2012年10月23日 (火) 09時06分
どもども、nakky殿。
サイバーショットの新しい奴がフルサイズ撮像素子に35mmの組み合わせじゃなかったでしょうか。
旧世紀なら兎も角、リコーGRDにしろフジフィルムXにしろ、単焦点レンズは一種のプレミアムですね。
あっしのシグマDP-1もその中に入るのでしょうが、全く稼働せず。
今度の帰郷には使おうかなあ。
投稿: Rikkie | 2012年10月23日 (火) 10時08分
どもども、ゲルべ殿。
ああ、クモリですか。それは残念です。
あっしはカビや傷は殆ど気にしないのですが、クモリは写りにもモロに影響しますから、流石に手が出ません。
ボディはプリミティブで壊れ辛いと思うのですが。
投稿: Rikkie | 2012年10月23日 (火) 10時09分
どもども、横須賀与太郎殿。
本カメラの本質的な良さをお分かりでいらっしゃる。流石ですなあ。
最近、あっしは距離計も殆ど使わないんですよ。どうせ絞りはF8~11に絞るし、晴天下でないとフィルムカメラで撮らないですし。
日陰の被写体と言うのはモノクロではあまり楽しくないのでデジカメに任せています。
あっしも辻斬りますよ(^^;。シャッター音が小さいのと、地味なルックスが功を制するのか意外と気づかれないですね。
次回は現像の失敗をせずに、本来の能力を引き出したいものです。
投稿: Rikkie | 2012年10月23日 (火) 10時13分
どもども、KOH殿。
最近は28mmが多かったのですが、35mmの自然な画角は魅力的ですね。28mmだと思い切って被写体に近づかなければで、デジカメのように無音のカメラであれば兎も角、小さいとはいえシャッター音がして、ボディサイズもある金属製フィルムカメラでは、被写体に近づくのに躊躇を感じます。
35mmも良いのですが、40mmとか45mmとかも使いこなしてみたいんですよね。
投稿: Rikkie | 2012年10月23日 (火) 10時16分
今の目で見ても実に素敵な佇まいです。当時はコストダウンのために「あれ」や「これ」など削る箇所が多く、レンズ周りは聖域でしたが、昨今の「全部一体式」では外装とかレンズがターゲットになっちゃうんですよね。
投稿: 大佐 | 2012年10月28日 (日) 18時32分
どもども、大佐殿。
ずっしりとしてしっかしりた作りですよね。
精密機器と言うよりは、何かの工業用ツールに思えます。
最近は1400万画素級で驚くほど安いコンパクトデジカメがありますが、やはり安普請だし、逆光に異様に弱いとか、何かと不便です。
ワイドは気に入ったので、次回は撮影も現像も成功したいものです。
投稿: Rikkie | 2012年10月29日 (月) 04時53分