コニカ Z-up28W
これは、我々のようなへそが少し曲がった人間には難しい質問である。小学生時代の拙僧の同級生なら「ゼロ戦」と答えただろう。しかし、小学生ながらも不思議に思った物だ。「ゼロ」は敵性語である。「ゼロ戦」というのは戦後の少年倶楽部や少年科学雑誌が勝手につけたのだろう。無論、我々は「零式艦上戦闘機」、または「零戦」とよばなければならないな。
「零戦」は確かに美しい戦闘機なのだが、戦争をするための航空機としては美しすぎる気もするのだ。プラモデルを作ったことがある方なら分かると思うのだが、ボディや主翼末端を描く曲線など、いかにも生産効率が悪そうだ。20mm機関砲もまっすぐ飛べばよいが、ちゃんとまっすぐ飛んで貫通力もある12.7mmの方が戦争には勝てそうな気がする。こんなデリケートな戦闘機を動員した少年や女性に組立させて、末は特攻に使用したというのは悲哀と不合理を感じざるを得ない。なので拙僧はイマイチ、「零戦」には乗り切れない感じだな。拙僧が好きなのは「雷電」。お世辞にも美しい機体ではないが明確なコンセプトで足の短さから1機も特攻作戦に投入されず、扱い辛さが乗員を救った。
本カメラと「零戦」と並べるのはかなり難しいのだが、本カメラの28mmから始まるズームレンズやスナップモードも正当に評価されるのは難しいな。
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コメント
おはようさんです Rikkie師匠。
>小学生ながらも・・・・「ゼロ」は敵性語・・・。
流石師匠は早熟ですな!。 自分は中学生になってから
ですね、その疑問を持ったのは^^;)。
っで、当時 亡父(総和6年生)に聞いてみた事があるので
すが、少なくとも親父の周り(高知県の田舎の農村)では
普通に”ゼロ戦”っと呼んでいたとの事でした。
終戦の武装解除時に、近所の悪ガキ連で学校の教練銃を
盗みに行っと話とか、本家(曾祖母の代で断絶)の蔵には
38式(本土決戦用?)があったとか、他にもいろいろな話を
聞きましたが、はてさて今はもうその真偽を確かめる事も
出来ませぬ...。
投稿: 鍛冶屋 | 2015年10月17日 (土) 07時57分
どもども、鍛冶屋殿。
おお、それは貴重な証言です。
そうですよね、「パーマネントは止めましょう」なんて言ったって、一度流通した言葉は簡単に撤回できないですよね。ネット社会以前から。
拙僧の会ったことが無い祖父は皇居で銃剣術を教えていたそうです。眉唾ですが、確かに菊の御紋のある免状と小銃を模した木刀(?)は有りました。
万年室で書かれた対戦車教術のメモとかもあったのですが、ああいうのは拙僧の眼の黒いうちに取って置くべきですよね。
しぶしぶ、イルクーツクに帰還するか・・・。
投稿: Rikkie | 2015年10月17日 (土) 17時28分
鉄道模型の先輩のお父さんが「零戦」の
設計に参加されたそうです。その時の
話を時々されるのですが私にはさっぱり
解りません。以前、三重県明野?で
当時の星形エンジンを見ましたがあれで
よく回ったものと思いました。他の趣味の
先輩は戦争末期に浜松に配属され航空機を
出したり隠したりしていたそうです。
以前、朝日ソノラマから「カメラレビュー」誌が出ていて各メーカーの特集が有りました。このコニカは載っていませんか?
投稿: 常夜燈 | 2015年10月18日 (日) 08時22分
どもども、常夜燈殿
おお、やはり御土地柄ですねえ。
ショップ開催の撮影会に参加すると、某攻撃機の翼の設計をしたとか、某重工業でヘリコプターの研究をしていたとか、ビックリするような方とお会いすることがあります。
浜松だと中島ですかね。冷戦の生産数が中島の方が多いと、割と最近知りました。
「カメラレビュー」は中古でも高いんですよね。「写真工業」なら安ければ買うのですが。
今見返すと、悪天候下でもディテールが出ていてイイレンズですね。アクロスとの相性も良いようです。
投稿: Rikkie | 2015年10月18日 (日) 09時33分
どもども。
これは知らなかった。
それにしても読めば読むほど素晴らしい内容のカメラですね。
さすがはコニカ。外観からは想像も付かない玄人好みの物です。逆に外観で損していますね。
投稿: 大佐 | 2015年10月18日 (日) 21時43分
こんばんは。
航空機(日本軍機)の話題と今回の作例が非常に興味深いです。
航空機の話は長くなりそうなので後からにし作例ですが、これって名古屋ですよね?
かなりヒナびた場所ばかりでして、私が最も好きなジャンルなので食い入るように見せて貰い非常に楽しめました。
いいですよ、本当にいいです。
私もこんな所は是非行きたい撮影したいですね。
mixiの名古屋フォト会で街撮り召集がかかったら次回は是非参加したいです。
次に航空機ですが、私の場合一番好きなのは戦闘機というよりも艦爆彗星一二型ですね。
理由は単純にデザインだけです。
ならば零戦などが分からないのか?と聞かれますと、実は結構詳しいです。
この様な事に興味を持ったのは中学生の頃までさかのぼるのですが、祖父の世代が第二次大戦世代になり、目の前にいる年寄りなど、誰も素晴らしい人格者ばかりなのですよ。
新聞などで書かれている様な事と現実にギャップを感じて本を読み始めた事が始まりかなあ。
という事で航空機という機械好きがきっかけでは無く、新聞と現実の人間の差に疑問を持った事が始まりという、何とも現実主義な私らしいエピソードがあります。
そうそう雷電ですね。もちろん存じております。
設計主務 堀越二郎氏の局地戦闘機で、確か爆撃機用の火星エンジンを使った戦闘機ですね。
ズングリしていますが、外径の大きいエンジンを積んだ為、延長軸を介してペラを回すという所が並みの機構ととは違いますね。
足は短くとも高速で上昇速度も速く、B29などの迎撃で大活躍した(できた)数少ない戦闘機ですね。
私も好きですよ雷電は。
零戦は緒戦の活躍から終戦まで、現役時代が長く悲しいエピソードも沢山あり、決して欠点の無い戦闘機とは言えませんね。
よく燃えるとか、無防備とかまるでヤグい様な言われ方もしますが、東京国立科学博物館にあるラバウル工廠改の実物零戦を自分の目で見た時は感動しましたね。
大きく緻密な素晴らしい戦闘機でした。
.....だらだらと書き続けると一層長くなるので、この辺で割愛いたしますが、いつか戦闘機などについてもRikkie氏と楽しく話題にしたいものですね。
では。
投稿: nico nico | 2015年10月18日 (日) 21時58分
どもども、nico nico殿。
拙僧の稚写真にお付き合いいただき、ありがとうございます。
ここは名古屋の菓子問屋界隈です。
時折、濡れる程の雨が降る程の悪天でレンズも開放近かったのですが、なかなか良いディテールが出ていますよね。
安ズームレンズとしてはなかなかです。
ちょっと侮れないですよね。
mixiのPHOTO会も是非ご参加を。
拙僧は小学生の頃に冷戦の開発記を読んだことがあるんですよね。堀越さんのカリスマ性とかではなくて、チームとしての開発の苦闘が書かれていました。勿論、小学生の頭ですからロクに理解できませんでしたが、ワクワクしながら読んだものです。
彗星は熱田に悩まされた艦爆ですよね。当時の日本の生産技術ではは手に負えなかったという事なのでしょうが、アルファロメオのパワーソースは悪い話を聞いたことが無いので、やはり欧州と極東では遠すぎたのでしょうか。
昔は彩雲も好きだったのですが、今から見ると無理があるのか大柄でバランスが悪いですね。
案外、日本嫌い(蔑視)なナチースがケチったのかもしれませんが。
そうです、雷電は爆撃機用のパワーソースを搭載していました。当時の我が国にはそれだけのパワーのあるソースが無かったんですよね。なるべく空力を合理化するために中央を膨らませてカウルを絞り込むあたり、堀越氏の理想が見え隠れします。
事実上、B29に対抗しうる唯一の単発機と言えるでしょう。
零戦は太平洋戦争を通して戦ったのですが、末期には明らかに無理がありました。なので悲哀を感じざるをえません。先の大戦では冷戦で勝てる時には勝ち、零戦が劣勢になった時に戦争のターニングポイントになりました。
そう言えば、拙僧は実機を見たことがありません。九州の特攻記念館のそばを走ったことがあるのですが、複雑な思いがあり素通りしました。
96式陸攻とかは北京で見たんですが。
投稿: Rikkie | 2015年10月19日 (月) 05時18分
どもども、大佐殿。
このカメラはスタイリングは凡庸なものですが、実際にはスナップ戦に有効な代物です。
確かにスタイリングで損をしていますよね。
28mmから始まるズームレンズを搭載したコンパクトカメラは珍しいので動員してみましたが、なかなかの実力者です。
コニカにスナップ撮影の熱心な設計者がいらっしゃったんでしょうね。
投稿: Rikkie | 2015年10月19日 (月) 05時22分
飛行機の話尽きませんね。零戦と隼のどちらかで戦え…私は隼2型を選ぶかな。堅実な整備性と耐久性。米軍が恐れた低空域の上昇力はP47を凌ぎます。陸軍機にしては航続力も高い。13ミリ機銃2門の軽武装ですが…カメラに例えるとミノルタsr1s、ペンタックスspあたり。米軍の記録には『低空を旋回、行動中の隼には不用意に近づくな』とあります。ただ陸軍機という事で損をしている。海軍機(Nikon)じゃないんですねー。
投稿: フッド | 2016年4月 5日 (火) 10時04分
どもども、フッド殿。
お名前からフロート系の方かとご推測いたしたのですが、フライト系にも考察お高いのですね。
拙僧も戦争で乗るのであれば隼を選択します。趣味のフライトレースであれば雅な零戦に軍配が上がりますが、こと前線となれば「堅実な整備性と耐久性」がモノを言いますよね。マサにペンタックスSPです。
拙僧は北京でP-47を見たことがあるのですが、それはゴージャスな重戦闘機でした。P-47に上昇力で勝ったというのは天晴な逸話ですね。
投稿: Rikkie | 2016年4月 5日 (火) 17時03分