オリンパス XA(初代)
拙僧の曖昧な記憶ではJRがまだ国鉄だった頃に「乗客はバカだから国鉄側が客が何も考えなくても、それなりに困らないようにする」というようなことを言っていた気がする。かなり乱暴な言葉だが一理ある。もはや神聖化しかM谷氏の発想も似たようなところがある。M谷氏は自分の理想の主軸を、ある種勝手にユーザーはバカだから設計してやる、というところがあったと思う。拙僧が、そう確信したのは「OM707」のインタビューで「AF一眼レフを使うようなユーザーはバカだからMFは要らない」というような事を仰っていたのだ。実際、OM707が、どういうカメラだったかは拙僧のブログを読んでくださった方はご存知だろう。また、拙僧は八王子に住んでいたので、その筋の方からこぼれ話を聞いた。泣かされた社員も多かったらしい。
それはそれで一理ある話だ。オリンパスの大失敗は神聖化した神のご判断によるところが少なくないのだが、今でも伝説を信じてオリンパスのフォロワーとなっている方は少なくない。オリンパスの企業としてのポジショニングの安定性とは無関係にだ。
それに、民主主義が必ず成功するとは限らない。傲慢な独裁者が時に国民を満足させることもある。拙僧にとってはXA(初代)はそういうカメラである。これだXA2になると民主主義の香りがする。
どちらが評価に値するのは自由主義の我々なら選択が可能である。
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コメント
XAシリーズはカラーがよく写りますね。ただモノクロもさっぱりとしていて、これはこれでアリですね。ピントもいいですし。上海上陸編のスナップは見ごたえがありました。
この機種、根強い人気があるようで、XA2が7~8000円くらいでよく見ていた記憶があるのですが、この間レモン社でXA4が2万円以上でした。こんなにするもんですかねぇ。
投稿: だいきちボンバー | 2016年10月22日 (土) 10時15分
どもども、だいきちボンバー殿。
確かにXAシリーズになるとカラーフィルムが映えますね。仰る通り、モノクロだとサッパリというか浅い気がします。
これがピッカリコニカとかだと、結構モノクロでも深みがあるのですが。
上海のネガはカラーの方が先に撮ったのでビビりリミッターが入っています。モノクロの時は2日目か3日目だったので、図々しくなっていますね。
ちにみに、このカラーネガはナニワのキットで自家現像したんですよね。なので、かなり荒っぽいです。光線漏れもちょっと惜しいのですが、モノクロだとあまり目立たないのが不思議です。
投稿: Rikkie | 2016年10月22日 (土) 20時14分
初代は、レンズを繰り出さないという厳しい条件でf2.8を実現したところがオリンパスらしいですね。
確かにあのレンズの評判は今一つでしたが、凝ったレンズ構成や大きな後玉にオリンパスのオリジナリティを感じさせてくれます。
投稿: 大佐 | 2016年10月23日 (日) 00時20分
どもども、大佐殿。
そうなんですよね。あのテレタイプを工夫して繰り出し量を僅かにした広角レンズを搭載するってのは本当に凄いことだと思うんですよね。
好きな方には申し訳ないんですが、ローライ35やミノックス35なんかと比べてほしくない。
天才の功罪紙一重でしょうか。
投稿: Rikkie | 2016年10月23日 (日) 18時38分
こんばんは。
あの、これわたし、当時経験者なのです。
苦い経験でした。
意外と長い間売られていて私が勝ったのはたぶん1985年くらいです。
このころになると値段もずいぶん安くなってきました。もちろん同じようばスペックのCONTAX-Tのほうが欲しかったけれど、このXA独創性は日本人として誇りに思いました。
安くなったところにさらに負けてもらって、なんとかかんとか買いました。
旅行にって、写真の上りを見て。。。
がっかりしましたね。
私の個体は青みが借るんです。
またサービス版などではシャキッとしない。
XA2はあんな大雑把なゾーンフォーカスなのにいい色でシャキッと出るんです。
悔しかったですね~
戦前にライカや大型1眼グラフレックスをもてあそんだ祖父が、ペンタックスオート110に心ひかれまして(そりゃ惹かれますわな)、結局XAにしたんです。これは初期のものです。
初期の葉ちゃんと色が乗るんです!!
悔しかったですね~
しかしビッグミニ登場以前にはXAシリーズには相当存在感がありましたね。
テレフォトタイプの広角レンズ。。。というところが、素直な描画にならなかったのでしょうか。解像度はあったのに。
でも、コダクロームを入れたときは別世界でした。
色はやコントラストはフィルム、解像度はフィルムとレンズ担当といったトロでしょうか。
あのころのスライド残っているかなぁ。
CONTAX-Tの黒なんぞを見るとぞくぞくしますね。
投稿: 横須賀与太郎 | 2016年10月25日 (火) 00時33分
あ、そうそうXA4もコンセプトは魅力的でしたが玉はいまいちでした。シャキッとしろ!!とカツを入れたくなるレンズでした。
投稿: 横須賀与太郎 | 2016年10月25日 (火) 00時35分
どもども、横須賀与太郎殿。
貴重なお話、ありがとうございます。
成程、ロットによって差があるんですね。オリンパスXA(初代)のレンズの評価はネット上でも幅があるのですが、ロットの違いですか。それは想像もしなかったです。でも、十分に可能性がありますね。
拙僧の場合は、カラーはナニワのキットで自家現像するくらいでしたから気にしなかったのですが、モノクロの諧調は物足りなさを感じました。全てのカットが物足りないというわけではないのですが、肝心の時にに「アレ?」と思っちゃったんですよね。
仰る通り、一つレンズの奥行にカツが入れば手放しで称賛できるカメラだと思うのですが。
XA4って、多分今でも結構な値段がするんでしょうね。あれも、今一歩ですか。
白状すると、「ズイコーってイイですね」ってあちこちで言っているのですが、本当にいいと思っているのは蛇腹マミヤのDズイコーとズイコー50mmF2マクロくらいなんですよね。これは本当にイイです。特にマミヤのズイコーはクモっていなければモノクロで最高能パフォーマンスを発揮します。
なのでズイコーを贔屓したくなるのですが、オリンパスオートアイがキャノネットに敵わなかったのは値段だけじゃないんですよね。
投稿: Rikkie | 2016年10月25日 (火) 17時11分
XA4はよしたほうがいいですよ。
ネガでとってもリバーサルでとっても、発色自体が。。。
あれも大枚はたいて新品買ったんです。
高校のころ、編曲か作曲かでギャラが入ったのでしょう。
すぐ手放しましたね。
それを後悔する気が有って、社会人になってから、なじみのカメラ屋から下取り価格くらいで買ったんです。
画竜点睛に欠くのは同じでした。
御貴殿がおっしゃるように、XA1,XA2あたりがよろしいかと。
PEN-Fのレンズも38/1.8(これ、私が生まれてからしばらく撮られていた玉)より40/1.4のほうが格段に良いです。
初代のAFのやつ、シャッターを押すとカッチャンと音がしてシマシマ模様のミラーが機械的に動き、暗いところでは赤い光を飛ばしフィルター径が43.5なんて半端なやつ、あれはきっちりD.Zuikoと書いてあって、リバーサルなんかではまると、本当にD.Zuikoなんです!!
色乗りといい、シャープ感といい。やはりレンズのスペースを犠牲にすると(XAのようにテレフォトタイプにするとか、そんなものを小さいところに無理やり押し込めると、結局画竜点睛を欠くことになりかねないです。
それでフジカGS645に寸止めで使わずにいるのかもしれません。
投稿: 横須賀与太郎 | 2016年10月25日 (火) 21時21分
どもども、横須賀与太郎。
なるほど、やっぱり伝説は伝説で上手い話や魔法なんてないってことですね。
オリンパスフォロワーの方に言うと嫌な顔をされるので言わないのですが、本音を言うとXA1が一番しっくりくるんですよね。XA2もイイんですが、電池が要るし、写りまでXA1がイイとまでは断言しないんですけど、本音はそう思っているし、拙僧はスナップでしか使わないし。雨が降れば諦めるし、XA1で十分なんですよね。
初代のAFズイコーは持っていましたよ。コンテンツも作ってあります。仰る通り、あれは本当にズイコーですね。あっしはモノクロでしか撮っていないですけど、確かにズイコーでした。
不思議なんですがAFモジュールとかミノルタハイマチックAFと同じだと思うんですが、ハイマチックAFは全くあてにならないんですよね。とにかくAFが合わない。拙僧の個体が極端にコンディションが悪かったのかもしれないのですが、やっぱり「ありゃダメだよ」って方もいらっしゃるので、よく工業製品として成立したもんだと思うんですよね。でも、オリンパスの歩留まりは良かったです。
そんなこともあってM谷氏の伝説なんて、初代のペン以外は「どうもね」って感じなんですよね。熱狂的なオリンパスフォロワーの方がいらっしゃるので言わないようにしているのですが。
そうそう、最近ちょっと使っていないのですが、ペンFの25mmF4は結構気に入っています。ただ、ペンFにあのレンズをつけると、少なくても40代の拙僧だとファインダーが暗くてピントのヤマもつかめなくてフォーカシングはできません。
勿論、初めから期待していないので目測で撮っています。
投稿: Rikkie | 2016年10月25日 (火) 22時59分