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2016年10月 5日 (水)

ヤシカ エレクトロ35FC

Dscn4200前回、一式単戦「隼」の話をさせて頂いた。旧日本帝国軍の戦闘機としては「零戦(ゼロ戦)」は知っていても他は知らないな、という方も「隼」はご存知だろう。その可能性は高い。量産二輪車としては今だ最強のスズキGSX1300Rも「隼」だしな。しかし、二式単戦「鐘馗」となると知名度はぐっと下がる。拙僧も松本零士氏の「戦場漫画シリーズ」を読んでいなければ知らなかっただろうしな。それを知っていたのが幸せなティーンエイジだったかどうかはともかく。

帝国陸軍はとかく帝国海軍に比べると評価は低い。確かに九七式中戦車でM4シャーマンと正面から闘えと言われたら泣きたくなる。ソロモン戦でボールかパブリック突撃艇で突っ込めと言われるようなものだ。しかし、帝国陸軍は少しは考えた。ひたすら隠していたがノモンハンでも結構ぎりぎりで凌いでいたのは認知していたのだ。ベニア板ででっち上げた主翼のI-16にも、まともに正面から突っ込まれると97式戦でもヤバかったのだ。なので一般的に格闘戦一直線だと思われている帝国陸軍もそれなりに考えた。艦上戦闘機だと何かと制限があるが、陸軍機は最悪不時着しても生き残れる可能性が高い。なのでキチキチの艦上機に比べて余裕のある陸軍機は燃料タンクやコクピットの防弾にも、ある程度対応できた。なので、拙僧が戦争するなら零戦より隼かな。

Image46それで陸軍が考えたのが軽戦闘機と重戦闘機の組合せだ。色々と紆余曲折があるのだが、ざっくりいうとそんな感じである。軽戦闘機が「隼」で重戦闘機が「鐘馗」である。なので「隼」が7.7mmと12.7mmの「機銃」を装備したのに対し「鐘馗」は20mmの「機関砲」を装備した。こういう使い分けは珍しいことではなく、米軍機だったらF-15とF-16、ソビエト機だったらMig-29とSu-27の組み合わせだ。それぞれ事情は違うのだが、大らかな目で見たらそんな感じである。

それでヤシカに強引に話を遷移するのだが、ヤシカエレクトロ35シリーズも初代の大柄なボディでは1970年代を乗り切るのは難しいとヤシカは思った。そこで1973年にヤシカエレクトロ35FCとヤシカエレクトロ35GLを同時に投入するのだ。前者がヤシノンDX40mmF2.8を搭載するのに対し、後者はヤシノンDX40mmF1.7を搭載した。その差は1段以上の明るさの違いがある。カメラ的にはボディを見たら大して違いがないだろうが、レンズとしたら軽戦闘機と重戦闘機の違いがあっただろう。そして、どちらともヤシカという国家を堅牢するには足りなかった。拙僧は北京でP-47サンダーボルトやP-61ブラックウィドウを見たことがあるのだが、戦前・戦中の我が国が、あんな化け物に敵うわけないっすよ。紫電改や5式戦が台所の鍋・窯を溶かして作っても無理っすよ。

一般的にはヤシカエレクトロ35GXあたりが評価が高いが、ヤシカとしては戦争継続はギリギリだったのであろう。コンタックスブランドを獲得しても、最早体力は底を尽きていた。

ただ、ヤシカの一眼レフは大抵の場合は使い物にならないが、ヤシカエレクトロ35シリーズは現在でも撮影可能状態のモノが多い。戦後に高品質の燃料を使ったら「隼」や「5式戦」が最新鋭の「スピットファイア」を凌駕したというのも溜飲が下がる。英国人のことだからスロットを絞って本性を出さなかった可能性もあるが、ここは夢を見たいな。

コンテンツもご覧頂きたい。

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コメント

いやぁ今回のは実に勉強になるコンテンツです。私を含め多くの人はヤシカと聞いても京セラとか巨大なエレクトロ35しか思い浮かばないもんね。ジャンク籠に入ってても見逃してしまうモデルに光を当てるなんてさっすがぁ。本編のほうも実にためになりました。

投稿: 大佐 | 2016年10月 6日 (木) 20時54分

僕は雷電が好きです。20mm機関砲と野太いボディ、遠くまでは飛べないけど力強さを感じます。
35FCは持っていないのであれですけど、35CCが雷電っポくないですか?(無理があるなぁ)
今35MCを持ち歩いています。MCは97艦船かなぁ??

投稿: k-1!輜重兵 | 2016年10月 6日 (木) 22時24分

どもども、大佐殿。

大佐殿にコンテンツも評価いただくとは光栄です。

今ではヤシカといえばコンタックスの廉価機としか認識されていないですからねえ。Tプルーフも含めて。

ヤシカエレクトロ35(初代)シリーズ以外は、あまり真面目に系列的に紹介したコンテンツが無いので作りました。

今回はモチベーションが上がりましたよ。IXYデジタルと違って。

投稿: Rikkie | 2016年10月 7日 (金) 08時00分

どもども、k-1!輜重兵 殿。

拙僧も雷電が好きなんですよね。お世辞にも美しい戦闘機ではないですが、明快なコンセプトと扱いづらさ、足の短さで1機も特攻機として使われなかった。

ヤシカMCを97式戦とすると、ヤシカエレクトロ35(初代)に相当する重戦闘機が旧軍にないのが寂しい所ですね。

投稿: Rikkie | 2016年10月 7日 (金) 08時04分

今晩は。お元気でしょうか。趣味的に私が呼ばれた気がして訪問しました。ヤシカエレクトロ35に相当する機体…あえて異論を覚悟で申し上げれば『愛知航空機』、その代表機『彗星』です。機体については周知と思われますので詳細は省きますが、ドイツに範を得た設計の先進性と工業デザイン、しかし、田舎会社ならではの部品精度と仕上げが見事にミスマッチしている点で後のヤシカ・コンタックスと共通しているように見えます。その点で言えば、タフで扱いやすく堅実な信頼性を持つ隼戦闘機はペンタックスSPであり、あるいはオリンパスPENなのだろうと思います。飛行機などの話は尽きないですが、何より隼の話は心踊りますね。

投稿: HOOD | 2016年10月 8日 (土) 03時33分

どもども、HOOD殿。

ああ、なるほど。「愛知航空機」が「ヤシカ」説は興味深いですね。ヤシカエレクトロ35(初代)が「彗星」なら、ヤシカエレクトロ35MCは「春風」でしょうか。

「隼」が「ペンタックスSP」と言うのも納得です。そうなると「鐘馗」はニコマートFTnかなあ。しかし、ニコンは航空機に例えるよりも、やはり帝国海軍に例えたいですよね。

そうなるとドイツ機も気になって来ますね。「ライカ」を「メッサーシュミット」に例えるのはちょっと癪です。「ツアイス」なら「ヘンシェル」に例えたいですね。航空機なんてのは「ヘンシェル」にとっては「カールツアイス財団」における「民生カメラ」でしょうから。

もっとも、ドイツのカメラをドイツの軍用機やメーカーに例えるのは、ちょっと湾曲していますね(笑。

投稿: Rikkie | 2016年10月 8日 (土) 17時18分

うーん、やはりエレクトロシリーズはYASHINON がいいですね。特にカラーの発色がいい印象でしたが、カラーネガ編を見てもその片鱗がうかがえます。

お店で見かけた45mm f1.7搭載の35GTが思いのほか重かったのですが(700g以上)、35FCはなかなかコンパクトで使いやすそうです。

投稿: だいきちボンバー | 2016年10月11日 (火) 23時33分

どもども、だいきちボンバー殿。

初代系のヤシカエレクトロ35は情緒的には素敵なカメラですが、複数のカメラを常設する拙僧は動員するのに覚悟が必要です。

FCあたりが一番都合がいいですね。

もっとも、評価の高いGXも持っているので、動員したいですね。

投稿: Rikkie | 2016年10月12日 (水) 19時00分

今晩は。昼間、自宅にリサイクル業者を名乗る電話がありました。曰く『フィルムカメラとオーディオを探しています…』通常、耳にするのは『着物の買い取り』ですが、フィルムカメラとは初耳でした。これは、もちろん自宅訪問型の詐欺なのでしょうが、フィルムカメラとは新手でした。ご注意下さいね。閑話休題、三式戦闘機が無事に復元されたニュース。さて…飛燕はカメラに例えると、何でしょうか。ドイツ設計のエンジンを国産化、さらに日本設計の機体。しかし、エンジン工作の不備から五式戦を派生させる。そんな運命のカメラって、どうなのでしょうね。

投稿: HOOD | 2016年10月15日 (土) 17時31分

どもども、HOOD殿。

カメラ・オーディオ系の訪問詐欺ですか、穏やかではありませんね。ネットオークションなどで「アリゾナ州の叔父があなたのカメラに興味がある。5000ドルを用意している」なんてのはよくありますが。

そう言えば、知らない方からマイミク申請があって、普段は無視するのですが、うっかり受けたら「アドレスを交換しませんか?」などと言ってきて、やっぱりネットは気をつけなければとなりました。

さて、三式戦の動体保存は数年前の中古カメラ市の待合で隣り合った御仁と立ち話をしたものですが、実際に復元したとは知りませんでした。カメラに例えるとニコンSが近いですね。後にニコンSPまで復元しましたから。

しかし、ここはエンジン不調という件に拘りたいところです。ドイツ製のレンズの供給を受けながら、当時のシャッターやボディの精度で本来の性能を発揮できなかった。そんなカメラがありそうですね。

投稿: Rikkie | 2016年10月15日 (土) 21時06分

ああ、好きな描画ですね。
やはり夜の風景は「ろうそく1っ本でも」の名に恥じぬ描画であります。
エレクトロ35CCNを使っておりますが、最高速1/250というのにはガビ~~~ンといった感じですね。
海、山の当地はやはり薄日と思っても快晴??
1段くらいはオーバーになるのです。
ISO400で、f16で1/250では雲のある晴れくらいしか当地では撮れないためアクロス派に転向致しました。

投稿: 横須賀与太郎 | 2016年11月 7日 (月) 02時33分

どもども、横須賀与太郎殿。

ヤシノンの肉乗りの良い諧調もいい感じなのですが、やっぱり夜のカラーネガの発色がイイ感じですよね。
本カメラはF2.8とヤシカエレクトロシリーズの中では暗いレンズですが、流石、という感じです。

カメラの電子化という点では一歩先を行っていたヤシカですから、柔軟な機動で商品展開にイニシアチブを発揮していれば、もっと活躍できたなのではと思うのですが、そう簡単にいかないんでしょうね。特に、一発目で大成功すると。

最速、1/125はガビーンですよね。レンズは明るいんですから。
横須賀の晴天では特に足りないでしょうね。
プレスト400のこれといった代替品が見つからないので、もっぱらアクロスです。

アクロスが使えない条件だと、ちょっとフィルムの選択が厳しいんですよね。

投稿: Rikkie | 2016年11月 7日 (月) 09時27分

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