« ペンタックス オプティオW60 | トップページ | フランケ&ハイデッケ ローライ A110(再掲載) »

2016年11月19日 (土)

真面目にネガのスキャニングしたモノと印画紙に焼いたモノを考えてみる

Image35今回は真面目に写真について推考してみたい。いや、毎回、真面目に書いているのだが、大抵の場合はカメラやレンズよりも他の話にすっ飛んでしまうので、たまには写真や写真表現について語ってみたいのだ。誰も拙僧の写真表現の語りなんて興味はないと思うのだが、たまにはイイじゃないっすか。

だいきちボンバー殿のブログで話題となったのだが、ネガをPCにスキャニングしたモノと印画紙に焼いたモノは同じレンズでも、かなり印象が異なるのだ。当たり前のことではあるのだが、何せ印画紙代というのは結構な負担だし、手も間もかかるのでスキャニングした画像で満足してしまうことも少なくない。

Image42ちなみに、拙僧はエプソンのGT-X700というフラットヘッドスキャナーにネガキャリアを噛ませてスキャニングしている。かなり古いモデルで故障率もかなり高いのだが、ネガのストリップ4本を同時に読み込めるスキャナーは少ないので、だましだまし使って、今は4代目か5代目だ。

1枚目の画像がネガをスキャンした画像で2枚目がプリントをスキャンした画像である。レンズは同じオートニッコール135mmF3.5。一目でわかるほど傾向が違う。ネガをスキャニングしたものは滑らかな諧調を描いているが、ちょっともっさりしているのに対し、プリントはビシッと締まっている。

プリントはフジブロFM3だと思うのだが、もしかしたらバリグレードを3号で焼いたのかもしれない。そりゃ号数を変えればトーンカーブは変わるだろうと、何を当たり前のことを言っているのだと思われるかもしれないが、案外、忘れているのではないだろうか。

Image100拙僧は基本的には2号で焼くので、ネガをスキャニングした画像とそれほど変わらない場合も少なくない。この3枚目の画像は今は亡きフォマの印画紙で焼いている。但し、スキャニングソフトのプロパティはカラーに設定している。レンズはブロニカS用のニッコール75mmF2.8だ。そこそこ暗いシーンで撮影している。

しかし、見る方によっては、やっぱり違うよねと思われるのではないだろうか。諧調の厚みとか。

拙僧は基本的には露出なんて、それほどシリアスに考えなくててもいいと思っている。スナップ撮影もポートレイト撮影も可能であればF8に固定だ。しかし、全く意識していないわけではなく、印画紙に焼くときに引き延ばしレンズがF8~16で露光時間が6~12秒を意識している。それでもファインプリントの方からすれば凄く乱暴でイイ加減な感じだが、拙僧のプリントで可能な集中力は3時間+αが限界なので、そんな感じになるのである。ファインプリントを目指す方は引き延ばしレンズを絞れるだけ絞って60秒が当たり前、という方もいらっしゃるだろう。

ポリシーはそれぞれで、どちらが優れているということではない。拙僧が注目したいのは同じレンズでもネガのスキャニングと印画紙に焼いたものでは印象が明確に違うということだ。本来はレンズのパワーは印画紙に焼いてみないと分からない。

しかし、フィルムや薬剤に関しては知らないふりをしている拙僧でも、印画紙代は結構シビアにのしかかるのだ。今や期限キレで安く印画紙を買うなどというのは絶望的である。

今のところ、印画紙も期限キレのストックがあるので余裕があるが、底払いしたらフィルム趣味は更に厳しいものになるだろう。

|

« ペンタックス オプティオW60 | トップページ | フランケ&ハイデッケ ローライ A110(再掲載) »

コメント

どもども

そういえば、テレビ番組で芸術写真はプリントが商品として売れるんだそうで。要するに作者はプリントで作品に魂を入れるとか入れないとか。

んで、その時1億円の写真と小学生が撮ったプリントを並べて、どれが1億円かクイズにしたら正解は一人(だったかな?)
ちなみに我が家も全員外しました(笑)。

投稿: 大佐 | 2016年11月20日 (日) 00時53分

どもども、大佐殿。

最終的な媒体としては、プリントでないと商売にならないと思うんですが、それはあっしのようなオールドタイマーの考えで、電子データの使用料でも、商売になるんでしょうね。

実際、画像使用料が有料のモノもありますし。

最近、つくづく感じたのは「美しい物」「見て心地よいもの」「大切に感じるもの」と「芸術」は違うということですね。小学生の絵が「見て心地よいもの」で「芸術」が1億円なのは、ヒッチハイクで旅をするのと、プライベートジェットで仕事をするくらい違いますね。

投稿: Rikkie | 2016年11月20日 (日) 10時05分

立体感、奥行き、被写体の浮き上がり、黒の締まりなど、なるほどと唸らされます。
スキャンも決して悪くありませんが、プリントには迫る力がありますね。

僕の場合、スキャンはコンタクトプリントのイメージです。確認や整理、ブログアップ用にして、これだけでも楽しめますが、さらに最終ゴールとしてプリントしていきたいと思います。絞りや露光時間、参考にさせていただきます。

それにしてもオートニッコール135mm F3.5 はやはりいいレンズだなと。

投稿: だいきちボンバー | 2016年11月20日 (日) 23時07分

どもども、だいきちボンバー殿。

だいきちボンバー殿のブログでの会話で、改めてプリントの魅力を思い出すことができたのは幸いでした。

モノクロ写真の醍醐味はベースの白に浮き上がるシャドウですね。全く当たり前の話なのですが、つい、忘れてしまいます。

拙僧もPCに取り込んだネガはコンタクトプリントの感覚です。正直なところ、拙僧の他愛もないコンテンツでもレンズによる撮影画像を主な話題にしていますから、PCで取り込んだネガ画像を掲載するのに抵抗が全く無いわけではないのですが、全てのネガをプリントするのも不可能なので歯がゆいところです。

だいきちボンバー殿のモノクロネガも興味深く拝見していますから、プリントを楽しみにしています。

投稿: Rikkie | 2016年11月21日 (月) 20時32分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 真面目にネガのスキャニングしたモノと印画紙に焼いたモノを考えてみる:

« ペンタックス オプティオW60 | トップページ | フランケ&ハイデッケ ローライ A110(再掲載) »