フランケ&ハイデッケ ローライ A110(再掲載)
最初にお伝えしたいのですが、今回の話は、かなり鬱陶しいです。なので、「ついていけねーな」と思ったら、飛ばして下され。
「君の名は」と対決してきた。絵が似ていないのは放っておいてくれ。しかも、気づかなかったのだが、ほぼ同じポーズの絵を前に描いている。ささっと書くとボキャブラリーの無さが露見するな。自動小銃を持たせると、また違うのだが。ともかく、40男が一人で観に行ってきたのだ。まず、上映5分で帰ろうかと思った。
しかし、それを踏みとどませたのは東京の風景だ。魅入ってしまったよ。結果的に映画に入り込むことができた。ただ、舞台が東京と辺境が対になっていなければ、多分、拙僧はガキ臭くて観ていられなかったと思う。とくに新宿は拙僧が青春を謳歌した場所だから思い入れが強い。拙僧の「田舎が嫌で堪らなくて東京に出た」「東京で素晴らしい仲間と知り合い素晴らしい思い出を作って、妻と出会った」「今は東京に住んでいない」が絶妙にフィットした。一つでも条件が揃っていなかったら、多分、最後まで観なかっただろう。
主人公の一人の三葉さんは飛騨の辺境の神主の娘だ。拙僧の境遇だったらと思うと背筋が凍り嘔吐しそうになる。拙僧は田舎が嫌いで一刻も早く東京に出たかった。両親がクズだったという理由もある。しかし、拙僧は辺境ながらも西武池袋線に2時間乗れば池袋に行けた。小学生時代からチョイチョイ少ない小遣いを貯めて東京に1人で遊びに行っていた。小学生だから池袋のアニメショップや巣鴨のゲーセン(当時、キャロット巣鴨店は最も格の高いゲーセンの一つだった)のに行くくらいだが。 そうそう、「中田商店」は外せないっすよね。
一方の主人公、つかさ君は東京育ち。悶絶するほど、羨ましいよ。小さい頃から東京の中流家庭に生まれたかった。今でもそう思時がある。この映画は、正直言って大まかな話は「そういう話」なのだが、そういうところでイチイチ、拙僧のポイントをつくのだ。
後半の話の主軸はつかさ君が飛騨で三葉さんを探しに行くのだが、拙僧が響いたのは三葉さんが、思い切って東京に「つかさ君」を探しに行く話。東京の男子高生が飛騨に行くのに比べたら、飛騨の女子高校生があてもない東京に行くのは遥かにハードルが高い。拙僧は痛いほど分かる。入れ替わった時に三葉さんは「東京は毎日が祭りのようだ」と言っているのだが、それも痛いほど分かる。拙僧が東京に出た時とシンクロする。
拙僧にとって後半の町を救うくだりは重要ではない。そう言うアニメですねって感じだ。ただ、「かわたれ時」のシーンはそれなりに響いた。人生で決定的に大切な人との出会いは神憑っているのではと実感しているからだ。彼らは夢の中で出会い、「かわたれ時」で再び出会う。そして、最後に東京で3度目の出会いをする。
ここが、東京というのがポイントだ。これが、つかさ君が飛騨に度々、何か引っかかる人を探しに行って出会ったのなら、多分、拙僧はこんな長いコメントを書くような入り込みはしなかっただろう。また拙僧が遊んでいたエリアが新宿なのがブーストを上げるのだが。
東京では山手線と総武線とか行先の違う列車が並走する場所がいくつもある。窓越しに映る車両と知らない人たちとの時間の関係性に神秘性を感じることが東京在住時代の拙僧には度々あった。多分、地方から東京へ出た方なら同じような感覚を覚えた方は少なくないだろう。
彼らはそこで3度目の出会いをするのだが、電車の並走の神秘性と「かわたれ時」の神秘性は、拙僧にとっては似たようなものだ。
拙僧は妻とカリフォルニア発成田経由北京行きの中国国際航空で知り合った。北京に留学中の友人に会いに行くため、乗った飛行機の隣に座っていたのが妻だ。拙僧が田舎から東京へ出ていなければ成立しなかっただろう。主人公の二人が3度目の出会いを可能にしたのが東京のパワーだ。
拙僧の感想は、まず「東京に帰りたいよ、ちゅくショー」で、次に「それを再び成立させるのは絶対に不可能だよな」である。これは割と大人が「君の名は」を観た感想なのではないだろうか。例えば「東京」を「恋愛」あるいは「思い描いた夢」と入れ替えてみて頂きたい。
東京で知り合ったのは妻だけではなく、今でも交流のある友人たちも大切だ。彼らとはオートバイを通じて知り合った、なのでオートバイというのは拙僧にとっては東京と同じくらいの重みがある。だから、それがアニメでも東京の風景は美しく見える。
ハッキリ言って、話の筋は見る前から大体予想がついちゃうんだけど、アニメも案外、何か自分の大切なものを見せつけられてしまうかもしれないな。それでスタートレックで口直ししようとしたら4DXの箱はガールズ・パンツアーに占領されていたよ。怒りをもっとくれ。
で、今更なのだが、ローライA110は既に報告させて頂いている。しかし、追加で撮影した画像が見つかったので、コンテンツを少し追加した。ローライA110のコンテンツを執筆した時には110判フィルムが一度、完全に死んだときに書いたものなのだが、その後にロモグラフィーが110判フィルムの供給を始めたので、状況が一転した。当面は110判フィルムも安泰とは言わないまでも、楽しめそうだ。
撮影地は、「あの東京」である。
コンテンツもご覧いただきたい。
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コメント
君の名は」ですか、子供たちとの会話で全く話題になってない(娘はデスノートが見たいと言ってるし)
あれだけヒットしているのに子供たちが全く興味を示さないって一体誰が見てるんだろかと思っちゃいます(我が家がズレてるのか?)
ラブユー東京の気持ちわかりますわ。私も埼玉が気に入ってるのは東京に近いというのが大きいですし、いくら人気があっても北海道に戻りたいと思わないもんね。
んで、110フィルム復活したんですか?
今日訪れたフリマでペンタ110の本体ストロボとレンズ2本が2千円だったのにスルーしちゃったじゃない。
まぁ手に入れてもフィルムを入れる余裕ないから結局、カメラ塚行きになるわね。
投稿: 大佐 | 2016年11月23日 (水) 14時20分
どもども、大佐殿。
箱を見る限りでは子供は一人もいなかったですね。もっとも、平日の昼間でしたが。
アニメファンは別として現役の高校生以下の連中は見ないんじゃないでしょうか。多分、制作側のコアターゲットも違うと思います。あのテーマソングを歌っている歌手を知らないのですが、彼らのファンから上の年齢層でショウね。
ドラえもんだって、本音はお父さんが見たいのでは。
「妻」や「単車」は、これからも拙僧に可能性がありますが、「東京」の可能性は完全に消滅しましたね。分かっていても、突きつけられると凹むものです。
110判フィルムはロモグラフィーからカラーネガもモノクロネガも復活して、アマゾンで買うことができます。普通にフジフィルムが現像してくれますよ。
そのオート110は魅力的ですが、稼働状態かは難しいですね。でも、2000円なら拾うなあ。
オート110のレンズならアダプターで1シリーズにつくんじゃないでしょうか。多分、アダプターが痺れる価格帯だと思いますが。
投稿: Rikkie | 2016年11月23日 (水) 16時13分