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2017年10月28日 (土)

リコー リコーフレックスTLS401

Dscn6060「あれもしたい。これもしたい。もっとしたい。」と多感な青年(女性も含む)が渇望するのは当然である。しかし、それを実現するとなると相当な覚悟と気合とリスクを背負わなければならなかった。それがわかっているからこそ、ブルーハーツのヒロトの歌声は胸に響いたのである。

大抵の場合、人間は一つのことだけでもできたら大したもので、昭和だったらそれはサラリーマンを維持するということだった。それができなければ家庭を持つことなど到底不可能である。他にはせいぜい生活必需品を兼ねた四輪でドライブするとか、場合によっては絵や写真を趣味とするくらいだった。大の大人がアマチュアバンドを組んで小さな箱でライブをするとかシルクロードを単車でツーリングするとか、SF小説を書いたりマンガを描いたりして同人誌を発行するとか、そういうのは極めてまれで生活不適合者だと思われても不思議ではなかった。

Dscn6067ところが21世紀も17年も経つと「あれもこれも」なんでもできるようになってしまった。それを実現したのは言わずもがなテクノロジーであって概ね制御系とネットワーク(ネットワーキング)だ。拙僧などはインスタ映えなんていうのがどういうものなのか何となくは知っているが、何が楽しいのか全く分からない。そんな時間があれば単車を転がすとか他の事をする。しかし、スマートフォンとそのサプライヤーの組み合わせは西荻窪の焼き鳥屋の「ぼんじり」を撮影して画像を世界中に晒すことも出切れば、帰宅中の混雑した中央線の車内で自宅のクーラーのスイッチを入れることもできる。ヒートアイランドだのエコロジーだの節電などと言っても真夏の終電の中央線で関心を持ちたいのは冷えた自宅の部屋だけだ。

なんでもできる現在と違い、1970年代は2つの方向から被写体を見ることを可能にするのも難しかった。本カメラはウェストレベルファインダーとアイレベルファインダーを両立する稀な一眼レフカメラである。基本スペックはペンタックスSPに準ずるのだが異なる2つの事を実現したのだから大したものだろう。

もっとも、当時のテクノロジーでは限界があり大成功したとは言えなかった。しかし、これは半世紀近くも前に実現した2つの事なのである。今やバリアングル液晶ビュワーのデジカメが普通の世の中では、当時の方々の苦労はわかりづらいだろうな。それでも、本カメラを「時代のあだ花」だの「面白カメラ」扱いするのは拙僧は反対だ。両方のファインダーを器用に切り替える方は少なかっただろうが、ウェストレベルファインダーを貴重とするプロフェッショナルな方々にとっては代えがたいカメラだっただろう。

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コメント

Rikkieさんこんにちは。
お久しぶりです。
このカメラはエキザクタと同じなんですね。
マウントがM42という点ではこちらが使いやすい感じがしますね。
意匠としてはエキザクタが優位でしょうかね?

そうそう、最近ヴェラマチックの初期型を入手したのですが交換レンズの情報が少な過ぎて困ってます。
ご存知であれば教えて下さい。

投稿: koh | 2017年10月28日 (土) 13時42分

どもども、koh殿。

確かにヘッドがゴージャスなので見た目はプラクチカスーパーTL1000に近いですが、シャッターが西側のコパルですから普通のファインダーだったらチノンあたりのプラクチカマウントの機械式シャッター機に近いでしょうね。実際、末期のエキザクタってチノンだった気がします。コシナだったかなあ。

ヴェラマチックって東ドイツ製のベラ(ヴェラ)に距離計と露出計を搭載してレンズ交換ができるようにしたものですよね。

この交換レンズは見たことが無いですねえ。レチナやフォカの交換レンズよりも稀なのではないでしょうか?

名古屋の中古カメラ市では一度も見たことが無いです。もしも進展がありましたら、ご一報ください。

投稿: Rikkie | 2017年10月28日 (土) 20時56分

どもども
このカメラは欲しかった一台でしたねぇ。ネイチャー撮影も快適にできるななんて。実際フィールドワークなど しないのにね。
んで、平均測光とスポット測光切り替え可能でしたか。これまた便利。意欲的なモデルだったんだ。

投稿: 大佐 | 2017年10月29日 (日) 10時49分

どもども、大佐殿。

実際にはファインダーがかなり暗いので使いこなすには鍛錬が必要ですね。

ああ、あの「SP」と「AV」はスポット測光と平均測光の切り替えレバーでしたか。気づきませんでした。コンテンツを修正します。ありがとうございました。

リコーとしてはネイチャーやアカデミックに本気印だったのかもしれないですね。

投稿: Rikkie | 2017年10月29日 (日) 16時51分

どもども。
いや、AVがアベレージで、SPがスポットかなぁと勝手に思っただけでした。間違えていたら申し訳ないです。

投稿: 大佐 | 2017年10月29日 (日) 20時02分

どもども、Rikkie師匠。
ウエストレベルとアイレベル、両方によいところがありますから、それが両方できるとはすごいことだと思います。

最近の私の傾向では、機能が絞ってある代わりに軽いものが好きです。蛇腹の目測機だとか。

投稿: とりおた | 2017年10月29日 (日) 20時24分

どもども、大佐殿。

いや、多分その通りだと思います。
コンテンツは自己責任で修正しました。
ここに触れたコンテンツは無いんですよね。
リコーの公式HPも含めて。

投稿: Rikkie | 2017年10月30日 (月) 07時08分

どもども、とりおた殿。

なかなか暗くてフォーカシングが難しいのですが、こういうのは代わりがないので使い込むと人間が慣れるのだと思います。

拙僧も距離計レスの蛇腹カメラは好きなんですよね。拙僧の師団の距離計搭載蛇腹カメラで距離計が満足に機能するのは旧マミヤシックスと海鴎くらいという事情もあるんですが。

国産だとセミレオタックスあたりは、いい仕事をします。

投稿: Rikkie | 2017年10月30日 (月) 07時11分

今晩は。ウェストレベルの視界と一眼レフ。私も中古カメラ屋で、手にした事があります。あのファインダーの暗さは、果して実用的であったのでしょうか。
スクリューマウントとの事でペンタックスと共用可能にしても、このボディを買った人の満足感など興味深いところです。

投稿: HOOD | 2017年11月 1日 (水) 20時41分

どもども、HOOD殿。

そうなんですよね。本カメラのファインダーは、かなり暗いんです。信者の多いペンFのファインダーも暗いですよね。当時の技術ではミラーの組み合わせによるファインダーに限界があったのでしょう。

ポートレイト撮影でウェストレベルファインダーの利点がかたられることもあるのですが、この小さく暗いファインダーでリズム的な撮影ができたか疑問です。レンズはマクロタクマーなどがありますからローアングルで草花の接写をこなすことはできたでしょう。

研究者やローアングルで撮影するような趣味に特化した方以外はウェストレベルファインダーは結局たいして使わなかったと思いますね。

投稿: Rikkie | 2017年11月 2日 (木) 10時57分

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