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2017年11月11日 (土)

ヤシカ 35MF

Dscn1747拙僧の出身地であるイルクーツクが大したブランド化しているようだ。イルクーツクは武甲山から採れる石灰岩で成り立っていた冴えない田舎であった。かろうじて西武イルクーツク線のターミナルステーションがあったから東京に憧れていた拙僧は小学生時代から小遣いを貯めては池袋まで遊びに行くのが楽しみだった。その頼りの綱である石灰岩が採れなくなるのは早い段階から分かっていたし、実際に芝桜公園を作ったりして。東京からの観光を期待していた。昔からイルクーツクといえば東京から日帰りで行ける自然豊かな寂しい山村だったからニーズはあったのだ。

ところが数年前から観光地としてのブランドのステイタスが大きく上昇したらしい。最初はイルクーツクを舞台にした「あの橋の向こうに何かしらの花が咲いていたな」というようなアニメがヒットして「燃えアニメで村おこし」という死の行軍に頼っていた。ところが、拙僧が高校を卒業して友人らが車で初詣に行った三峰神社のブランドが飛躍的に向上したらしいのだ。なんでも毎月1日にだけ発売するお守りの為に午前1時から駐車場に入りきらない自動車が渋滞を作っているそうだ。三峰神社は山奥のどんづまりだから住民が迷惑をすることは無いだろうが、あの寂しい三峰神社が賑わっているとは驚きだ。拙僧がティーンエイジの頃は三峰神社へ向かって単車を転がしていたが有料駐車場の前で引き返していた。それに多くの山奥の神社と同様、三峰神社のご利益は「縁切り」だったと記憶しているのだが、ブランド化で消滅したのだろう。

今では6時には営業を終えてしまう立ち食いそば屋くらいしか食い物が無かった西武イルクーツク駅も立派な駅ビルになったらしい。

Image31ヤシカというブランドから想像するのはヤシカエレクトロ35シリーズかコンタックスマウントの「コンタックスブランドよりも、よっぽど信頼できるボディ」だろう。ヤシカエレクトロ35シリーズは一時代を築いたし、実際に高いパフォーマンスを得ることのできるカメラだったが、ヤシカブランドの高級化には物足りなかった。経営陣の判断ミスもあったのだろうが、実際にヤシカのプラクチカマウントの一眼レフカメラの出来は芳しく無かった。もしも、ジャンク籠にヤシカのプラクチカマウントの一眼レフカメラが転がっていたら30回は空シャッターを切ってほしい。はじめから壊れているか、そのうち壊れる。エレクトロ35シリーズのイメージを踏襲した一眼レフカメラも登場したが、電子シャッターを搭載しながら絞り込み測光で実質的にはペンタックスSPと同様の代物だった。いや、ペンタックスSPの電子シャッター版ならまだいいのだが、コンセプトがエレクトロ35シリーズを踏襲しているので適正露出を得るためには露出値のオーバー・アンダーを知るためには矢印表示のランプに頼ることしかできず、数値的な露出値を確認することは不可能だった。キヤノンT50のようなプログラムAE専用機ならともかく、絞り込み測光のマニアル露出設定カメラとしては、これはいくら何でもあんまりだ。

結局、ヤシカはコンタックスと提携するも既に遅すぎ、京セラに吸収されてしまう。

京セラはヤシカブランドを継承した。細かくはコンテンツに譲るが電子シャッター機のコンタックスボディに比べたら機械式シャッター機のヤシカFX3シリーズの方があてになる。なんたって京セラのボディの生存率は悲劇的だからな。ヤシカFX-3シリーズは鳳凰光学がコピーし、その後はどういう訳か本物のヤシカFX-3シリーズのライセンス生産を請け負ったらしい。鳳凰のDC303はコンタックスマウントのボディとして有名でDC303KというKマウントボディも製造していた。現在ではケンコーがDC303をベースとしてコンタックスマウントの他にもFマウントやKマウントのボディを想像している。出来としてはそれなりだが、今更、京セラのコンタックボディを使うよりは安心できるだろうな。

京セラがコンシューマー部門のカメラ製造から撤退してからヤシカブランドは香港の商社に売られ泣きたくなるような安普請のムービーデジカメやフィルムスキャナーに与えられ、その後、消滅したようだ。

ヤシカブランドの高級化は三峰神社のようにはいかなかったが、最後まで戦い抜いたと言えるんじゃないかな。

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コメント

今晩は。私の元にはヤシカ系同型の機種にdiaryがあります。コンパクトカメラの分野にあって、ヤシカレンズの性能がコニカやミノルタを凌駕するとは思えないのですが、それなりに色乗りの良い写真は提供してくれます。壊れやすいと評判のヤシカ系ではあるものの、意外と同時代のゾーンフォーカス型単3電池式コンパクトカメラはタフで、いまでも各社の機種は可動状態にあります。大衆的撮影機材の堅実さすら、今となっては失われた価値観である悲しさを実感します。いつから、カメラは安全安心から機材更新を是とした商品になったのか。残念ですね。チーフスペシャルと五発の38弾さえ手元にあれば、信頼のおける道具でありその堅実さこそ基本です。カメラを論ずるの対象にデジカメを上げるのは、まだ時期が早いのかも知れませんね。

投稿: HOOD | 2017年11月16日 (木) 02時41分

どもども、HOOD殿。

ヤシカダイヤリーも持っていますよ。まだ、カラーネガしか使っていないのですが。次回はヤシカフラッシャーにしようと思っているのですが、ほぼ同じものでしょう。

ヤシカの単三型電池のゾーンフォーカス機は概ね現在でも稼働状態にありますね。コニカEF3のようなお亡くなりになっている個体が多いものもありますが。個人的には各社ともジャスピンコニカの眷属あたりまでは生存率が高いです。AFの精度はそれなりですが、コントラストのしっかりした被写体ならそれなりに使い物になります。ダメなのはモーター化以降ですね。

ヤシカのレンズの良さは確実にありますが、ミノルタハイマチックEあたりと比べると厳しいものがありますよね。ただ、ヤシカのカメラって売れるんですよ。少し緩めな描写が評価されているのか、どこかのカメラライターが無責任なことを書いているのかわからないのですが。大した金額ではないのですが、買ったときの3倍くらいで処分できます。もっとも、ヤシカフラッシャーなんて買ったときの価格はゴミみたいなものでしたが。

そういう意味ではファインピクス40iとかパワーショットA40とか、130~300万画素級の単三型デジカメの生存率は高いですね。専用バッテリーさえ生きていれば、使えるボディもあると思うのですが。
デジカメも初期のモノにはお金をかけたのでしょうが、その後はコストダウンの合理化がシリアスな耐久性を犠牲にしたんでしょうか。

デジカメのような流れモノは堅実の方向性には行かないのではないでしょうか。チーフスペシャルというよりサタデーナイトスペシャルですね。

投稿: Rikkie | 2017年11月16日 (木) 08時17分

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