ペンタックス PC35AF
拙僧が生を受けた頃は勿論、カメラ市場のことなど知らなかった。拙僧が初めて手にしたカメラは母親から給与されたコニカC35EFである。いわゆる、「ピッカリコニカ」だ。これは拙僧がティーンエイジの頃に壊れてしまた。それは生産から20年以上も経過したのだが壊れても不思議はないのだが、拙僧が壊したと非難された。たしかに、そのピッカリコニカは現在のジャンク籠に200円とか500円とかで転がっていたわけではなく、給料(収入ではない)をかなり割いて買ったのだろうが、自分ではロクに使わず一時期拙僧が使っていただけで拙僧が壊したことになるのだ。こういう理不尽な非難は時には暴力となり、拙僧は親と決別することになる。
本カメラが登場したのが1982年だから、拙僧が10歳くらいの頃だ。当時、全自動のAFコンパクトカメラはひとまず完成の域に達しようとしていたのだが、本カメラは「ペンタックスが送り出した一眼レフでないカメラ」である。つまり、それまで頑なに距離計連動機やビューファインダーレンズシャッター機を出していなかったペンタックスが、とうとうAFコンパクトカメラというジャンルに参戦せざるを得なかったのである。
本カメラは「巻き上げがノブ式」というユニークな特性を持つが、なかなか写りのいいカメラである。拙僧がピッカリコニカを使っていた頃には既に時代はAFコンパクトカメラになっていた。もっとも、成果初の量産AFコンパクトカメラであるコニカC35AF、つまりジャスピンコニカだって1977年の登場だから、カメラの進化は光のごとくであった。
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コメント
どもどもRikkie師匠。
友達に 花瓶を割ってないのに 父親から おまえがやったと決めつけられ、怒って父親に殴りかかっていったつわものがいます。今回拝読し まず思い出したのがそれでした。
しかもあとで 彼ではないと判明しても父は謝らなかったとか。なかなかすごい。
とにかくお気持ちわかります。
投稿: さびとりおた | 2018年11月10日 (土) 08時59分
義bン円時代の良いレンズと良い写りを思い出しますね。もうほとんどを放出しましたので後戻りまで来ませんが。
このカメラはもっぱらリバーサルを喰わせていました。シャープネスも色も素晴らしいです。現行時代私は中学生くらいになったくらいですが、手動巻き上げだし、フォーカスポイントも今のようなAFではなく被写界深度に頼ったものでしたし。
これはニコンイマイチより確実に良いレンズだと思っています。線用モーターワインダーをつけてギュイーンと高らかな音を出させ遊んでおりましたが、手動巻き上げによる静粛性は得難いものでしたね。
投稿: 横須賀与太郎 | 2018年11月10日 (土) 09時47分
どもども、さびとりおた殿。
ニコンFEもEOS630も父親が死蔵して壊したものを拙僧が直したり騙し騙し使っていたんですよね。そしたら、拙僧が壊したことになっちゃう。ニコンFEなんて拙僧がニコンのサービスステーションで直してもらったのに。
父親の脳細胞がトリスと大樹氷で壊れていたのでしょうね。
投稿: Rikkie | 2018年11月10日 (土) 15時54分
どもども、横須賀与太郎殿。
フォーカスポイントも4点でしょうか。なんか、もうちょっと賢いような気がするのですが、レンズの被写界深度のさじ加減が絶妙なのでしょうか。
ポジを奢っていらっしゃいましたか。このメリハリだと使いたくなりますよね。今では、拙僧の貧乏師団では気軽にポジを使うことはできなくなりましたが。
ニコンのピカイチ(初代)の5枚玉よりも確実に良いレンズだと思います。ただ、ピカイチ(初代)もカラーネガをちょっと使っただけなのでモノクロネガを通したいのですが、今となっては稼働物件が手に入らないですね。
手巻きの静粛性はスナップシューティングに福音です。
投稿: Rikkie | 2018年11月10日 (土) 15時59分
このころのテッサータイプの良いもの、オリンパスの初代のAF機はれっきとしたD.Zuikoでその名に恥じぬ素晴らしい描写でしたし、ミノルタのハイマチックAFのロッコールも素晴らしかったですが、リコーFF30Dとかこのペンタックス、ニコンイマイチが4群5枚、ミノルタのAF-C(XAみたいにフラッシュが外れるリアフォーカス機)は6枚でした。これはすごかったですよ~ フォーカスロックできないんだけれど。
投稿: 横須賀与太郎 | 2018年11月10日 (土) 22時26分
どもども、横須賀与太郎殿。
オリンパスC-AFですね。あれはコンパクトカメラにしては珍しくレンズブランドを与えていましたね。D.ズイコーは素晴らしかったです。
ハイマチックAFは見た目はSFっぽくてカッコイイのですが、拙僧の個体は故障していたのか満足に合焦したのは4~5枚だけでした。残念ですね。リコーのFFシリーズも動員したいのですが手が回りません。
ミノルタAF-Cもユニークなスタイリングですが生存率が低いです。1台動くものがあったはずなのですが、発掘したら壊れているでしょうね。6枚玉ですか。楽しみです。
投稿: Rikkie | 2018年11月12日 (月) 11時17分
今晩は。ペンタックスのコンパクトカメラ、今一つのマイナー機ですよね。実態が不明瞭なままに、消えて行った感があります。
私の手元にペンタックスSports-1という地味機が一台。ジャンク機ですが興味深い構造と言うべきか、コニカMGD(ジャスピンコニカ)の系列です。この両者、外向きは違いますが各操作の配置は同一、シャッター音・巻き上げ音なども、レンズ構成も。比較分解はしていないのですが、私は同一機と考えております。
コニカ機は、なかなかに優秀なレンズ描写で以前にポジフィルムで撮影して、その透明な世界にコンパクトカメラも悪くない…と実感しました。話をペンタックスに戻りますが、私はコンパクトカメラまで独自の開発はしておらず、他社設計を受けたのがペンタックスのコンパクトカメラにおける実態ではないのか?と考えております。コンパクトは一眼レフや中判とは全く異なるカメラであり、大衆普及版でありながら『撮影の伴侶』でもある。つまり、意外に開発資金も必要で…元が取れない。やはり、ペンタックスは一眼レフの会社なのだなぁ、とおもいます。最近、ジャンクでZ1を入手して(二台目)、悪くないんですよね。
投稿: HOOD | 2018年11月15日 (木) 22時57分
どもども、HOOD殿。
コニカMG/Dなら拙僧も持っています。まだ未稼働ですが。なるほど、レイアウトはペンタックスSPORTS-1にそっくりですね。これも、ちょっと欲しい気がします。それほどジャンク籠で珍しいカメラでは無いと思いますし。
思うに、これらはGEKO辺りが作っていたのかもしれません。ペンタックスは後にPC-55のような、あからさまにOEMの安カメラを出しますが。これはキヤノンなども同様です。
実際の製造はペンタックスで内製していなかったかもしれません。しかし、ペンタックスのコンパクトカメラは始めてズームレンズを搭載するなど、意欲的であります。拙僧個人の説としては基本設計はペンタックスで行い、実際の製造はOEMという可能性はあるでしょう。APSカメラやデジカメへの参戦が遅れたのは、自社でプロトタイプを作れなかったからなのかもしれないですね。
『撮影の伴侶』というのはペンタックスの適切なポジションでショウ。
ペンタックスZ-1はいいですよね。拙僧も実質的な主力として即応部隊に編成しています。何といってもMZシリーズは「いつ壊れるか分かったものではない」という致命的な欠点があります。
その点、Zシリーズの方は信頼できます。
投稿: Rikkie | 2018年11月16日 (金) 05時05分
今晩は。エスピオでしたか。ペンタックスのコンパクトカメラシリーズ。その単焦点機も、実はコニカビッグミニなのだ、という説がありまして、今となっては確めようもないのですが、フィルム・コンパクトカメラの王道とも言うべきかニコンミニも、今は昔ですね。
思い切りなにも気にせず、フィルムコンパクトカメラで旅に出たい気分です。スマホやコンデジで写すあまりに『瞬きしたシーン』への高揚感が減りました。いつか、旅する二眼レフ・プリモ・アルペンあたりの記事を期待してます。
投稿: HOOD | 2018年11月17日 (土) 00時24分
どもども、HOOD殿。
単焦点レンズのエスピオ、ありましたね。あれはかなりレアなカメラで拙僧も見たことがありません。ビックミニと同じとは言いませんが我々の知らないモジュールメーカーが共有化した部品で半完成品を納入しているのかもしれません。APSカメラなんて、ペンタックスが内製している可能性は低いでショウ。
最近、フジフィルムの工事カメラK-28とニコンのL35AWADを使ったんですが、レンズのレイアウトとか電池室とかかなり似ているんですよね。K-28の方がかなり割り切ったデザインになっていますが、ニコンンがコンパクトカメラを内製するのも疑問符が残ります。
ただ、ニコンミニなどは明確にユニークですから、外製でも相当ニコンの設計の意図を反映しているのでしょう。あっしも、ニコンミニは1台残しています。
いやあ、プリモフレックスもアルペンフレックスも近所散歩撮影して処分してしまったんですよね。先日はセミイコンタで紅葉を撮ったのですが、さて動いたものか。
何しろ例年にない大粛清の嵐で撮影やコンテンツ作成が追いつきません。
海外のローカル地域で二眼レフで旅をしたいですね。
投稿: Rikkie | 2018年11月17日 (土) 11時10分