大判レンズ
今年も本ブログにお付き合い頂いた方々にお礼を申し上げたい。稚拙なコンテンツに最近は更新もお滞りがちなのだが、継続的に呼んでくださる方々がいらっしゃるのは嬉しいことだ。感謝感謝である。
本ブログでは基本的には実際に撮影したカメラやレンズを紹介している。中には動作確認中に壊れてしまったブツも含まれているかな。しかし、今回は全く使わないまま処分を決めた物件をご紹介したい。「大判レンズ」というジャンルだ。
大判カメラと言うとゴミ同然の価格で拾ったトヨビューデラックスやトヨフィールド、譲り受けたグラフレックスがあるのだが、どれも調子が悪くて光線漏れするのだ。なんとか修繕してみるのだが解決せず、ぎりぎり見れるのは1枚だけだ。
これも、ロールフィルムホルダーを手に入れたので120判フィルムでエラー出しと修理を行うつもりだったのだが、120判フィルムも高くなったし、何しろ肝心の大判フィルムが高くなった。今年最も悲劇的だったのがアクロスの終了だったが、比較的リーズナブルなアクロスの終了は、拙僧に大判写真を諦めるに十分だった。
大判レンズというのも一時期は凄く値が落ちた。このクセナー105mmF2.8も後玉枠に歪みがあったものの綺麗ななコンディションでシャッターも問題なく、良い個体だった。なにしろ「クセナーの大判レンズ」というサウンドの響きは良いもので十分に陶酔することができた。なので大枚4000円の損害を出して確保した。
このラジオナー13.5cmF4.5も夢を見させていただいた。ライカ判レンズのラジオナーはさえない場合も少なくないのだが、やっぱり大判レンズは格が違うと思ってしまう。
このフジノンW210mmF5.6も迫力あるレンズである。先のサルの写真はこのレンズで撮影したものだ。このブツはシャッターチャージレバーの戻りが悪いという欠点があるのだが、レバーを軽く押してやれば撮影できるし満足だ。これだけ立派なレンズが3000円だった。ちょっとしたジャンクのタクマー並みである。
大判レンズの楽しみの一つがついているボードだ。このフジノンW150mmF6.3は木製のレンズボードがついていた。写真館のアンソニーめいたスタジオカメラで使っていたのだろうか。150mmというのは大きくない写真館でポートレイト撮影するには丁度いい気がする。
大判レンズも半ダースくらい持っていたのだが、不良債権とはならなかった。というのも。どうも大陸で需要があるらしいのだ。流石に大陸で大判写真が流行っているとは思えないので、大判レンズを何かしらの方法でデジタル一眼レフカメラかミラーレス一眼につけているのだろう。クセナーなどは0が一つ増えて旅立って行った。
このテッサー15cmF4.5は恐らくフォーリディングカメラから取り外したものだと思われるのだが、さらっと秋風のように去っていった。
もっとも、レンズボードのような本当に大判カメラでつかうアクセサリーもそれなりに売れるから国内で大判カメラによるファインアートのムーブメントも存在するのかもしれない。だとしたら、なかなか未来ある話である。
もっとも、カメラ本体は全く動く気配がない。
来年もよろしくお願いします(mm。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
クセノター105mm もう売ってしまわれましたか?
まだでしたら…
投稿: とりおた | 2018年12月29日 (土) 12時58分
あー旅立たれましたのですね。
失礼いたしました。
投稿: とりおた | 2018年12月29日 (土) 13時06分
どもども、とりおた殿。
クセナーは素晴らしい奉公の後に去っていきました。
大判レンズにご興味ですか。
まだ、ちょっとだけ残っています。
投稿: Rikkie | 2018年12月29日 (土) 13時30分
どうも、毎週楽しみにしておりました。
クセノタールは度肝を抜きましたね。
出品されたのも知っていましたが、つけるカメラもなし、ランニングコストを維持できる訳でもなし、クセナーでも魅力的なのにクセノタールだなんて。
最近、デジで一つまともなものを持っていれば、ペトリー(無銘で四つ目のやつです)でも海鴎でも、フジカST−Fでも写りは関係なく遊べばいいじゃ以下と思うに至りました。
今年最後に乱心して、フジカST−FとTEXAR SR(海鴎203−1)プロの修理業者様にお願いして無事に完動品になって、武蔵の国に帰郷いたしました。
やはりデジの方がスナップは利きますが、日の丸構図で「レンズの方を見ろ〜〜!」と怒号を飛ばしながら撮るファミリー写真というのもありだなぁと思いまして、抑えのデジも持ってきましたが上記2機種を中心に撮っています。やはり、完調になったカメラは気持ちいいです。命より大切なZeiss Triotar物件やホクトレンデルのColor Lanthar物件も思い出として残してすべて売り払いました。SIGMA FOVEON quattro素子と贅沢なガラスの組み合わせは色気さえも感じさせます。
なんだか分けのわからないコンセプトのフジカST−Fの記事を大晦日に書こうと思ったのですが、実家のPCではログインできませんでした。あのあまり質のよくない純正テレコンと共になんとか写りを生かしたいと思います。
他にフィルムでは、ボルシーC22、アサヒフレックス1A,ヤシカマット初代、ペトリー(初代ビックリ箱式1948年ノンコート物件)海鴎203(戸外で撮るときにはTEXARで)、ペンF(40/1.4)、押さえの、コニカT-3(50/1.7)
身の回りしか撮らない人間にとって、とりたくなってなんぼですから、そんなカメラしか使わなくていいと思うに至りました。
来年もよしくお願いいたします。
投稿: 横須賀与太郎in武蔵国 | 2018年12月31日 (月) 18時09分
どもども、横須賀与太郎殿。
拙僧の稚文にお付き合いいただき、ありがとうございます(mm。
アレはクセナーではなくクセノタールでしたか。一度は中国人が落札したのですが音信不通になりました。再出品したら、また中国人が落札したのですが2度目の方がいい値段がつきました。しめしめといった感じですが、あらゆる「いいモノ」が大陸に流出してしまうのは考えてしまいます。
フジカSTーFと海鴎203ー1を業者OHなさりましたか!御英断ですね。フジカSTーFは、そのうち樹脂部品が下手ってしまうような気がするのですが、あの翼の生えたような軽快な一眼レフカメラは魅力的です。
ボルシーC22は羨ましいです。拙僧もアグファフレキシッテの前には立ち止まるのですが、既に機を逃したと思っています。カラーフレックスだって全く使っていませんから。
フジカSTーFのコンテンツを楽しみにしています。なんだかセディックの影が見え隠れしますね。個人的にはニコンのピカイチとの関連が気になるのですが。確証がありません。
今年もよろしくお願いします。
投稿: Rikkie | 2019年1月 1日 (火) 12時46分