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2019年2月22日 (金)

BelOMO VILIA”ベルモ ビリア”

Dscn8585過日になるのだが「ボヘミアン・ラプソディ」を観たのだ。率直に言って感動してしまったな。拙僧はQEENの世代よりは1ターンか2ターン若い世代なのだが、なんだか同じ時代に生きたような錯覚に落ちいてしまった。拙僧の妻など、文革後の黒竜江省辺境の生まれなのだが明らかに影響を受け、全体主義国家にありがちな権威主義がいくぶんか和らいだ感じがある。大学時代にバリバリのK産党員だった妻が、フレディ=マーキュリーさんに自己投影するくらいなのだから、音楽は世界も変えないし戦争も消滅させないが、一個人の生き方の価値観を微調整する力くらいはありそうだ。Img912
錯覚の「三丁目」に浸るならソビエト社会主義共和国連邦(C.C.C.P.:サユーズ・サビエツキフ・サスチャリスチーチェキフ・リスプーブリク)はうってつけだ。勿論、当時のソビエトに実際に生まれるなんてのは見も毛もよだつ。しかし、鉄のカーテンのこちら側で勝手に理想郷を描くのも自由主義者の自由だ。今となってはインターネットがやかましいが、「モスクワ放送」と「神田の新世界レコード」と「今日のソ連邦」しかキラーコンテンツが無かった頃を偲ぶのが錯覚の「三丁目」の楽しみ方だ。

今から考えればソビエト議会式社会主義というのは「みんな貧乏だから平等じゃないか」という思想だった気がする。そういう、貧乏というか質素な良さが本カメラには有るな。トリプレットと堂々と表記した三枚玉はアーガスC3のような「食物添加物に頭をやられた資本主義の悪魔」を開放するに十分な打撃力である。

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コメント

恐れ入谷の鬼子母神。。。こりゃやはり、ソヴィエツカーヴァ・ソユーザの健康に悪そうな、西側のレンズには高級なものにしか使っていないような素材をふんだんに使っているのでしょうが、キレといい大したものです。まあ、先週のアーガスも感心しましたので、あちらも金に物言わせていい硝材を使ったのでしょう。キヤノネックスとは大違いです(大笑い!!)いえ、あのカメラは大好きなんです。よく働いてくれています。
何となく買わなかったので似たようなものと思っていたのですがスメ8Mと随分違うのですね。神保町の新世界レコード社がなくなってがっかり致しました。昔はロシア民謡からクラシックまで、MKのメロディアレーベルのものを日本ビクターがプレスして「新世界レコード社」と堂々と印刷されていたものです。
なにしろ、チャイコフスキー、ラフマニノフ、プロコフィエフ、ハチャトゥリヤン、ショスタコービチなどは、レニングラード管弦楽団やソビエト国立管弦楽団など、他の追従を許さない芸術性を持っておりました。ウォッカはベリョースカの白樺、芸術面においてはクラシカルなものや、超前衛的なものも生みだした土壌です。白ロシアといっても今の若い人には通じないのがびっくりしました。逆にペレストロイカ当たりの頃でもベラルーシといっても誰もわかりませんでしたが。確かるルーブルは250円くらいな事を言っていたと思います。当時ドルと一緒だなぁなんて思ってましたので。ですので明貿商事が輸入したキエフやメプロゼニットがそれなりに高い低下だったわけですね。確か外相で有名だったグロムイコも白ロシア出身だったと思います。やばいっす。三枚教に戻りそうな予感。。。またHNをナンマイダーに戻そうかなぁ。T69-3はとても優秀なんですね。

投稿: 横須賀与太郎 | 2019年2月22日 (金) 23時40分

追伸・セディックとシムコのPDE送りました。

投稿: 横須賀与太郎 | 2019年2月22日 (金) 23時41分

キリル文字になんだか異文化を感じてしまいます。真四角のボディにも質実剛健のCCCP、それこそガミラスとか異文化のカメラ?なんて思ってしまいます。昔は、こうゆうシンプルなカメラは毛嫌いしたもんですが、最近ではこういったカメラで撮れない絵は無いと学びました。シンプルイズベストです。(そういや、作例の萌えキャラのイラストをCCCPで撮るだなんて、まさにプルトカルチャーって叫んだゼントラーディそのものだなぁ)
まつ毛の先にピントを合わせるような撮り方やモニターで拡大して粗を探すような撮り方をするカメラではありませんのでこれはこれで。
失敗するのも、間違えるのも、恥をかくのにフィルムカメラの特権です。デジカメ世代にはわかんないだろうなぁ。

投稿: k-1!輜重兵 | 2019年2月23日 (土) 17時53分

どもども、横須賀与太郎殿。

確かに。西側では環境汚染や保健健康的にNGな硝材なんてへっちゃらでショウね。カメラボディのメカニズムやマテリアルは安易に省略化や廉価化はできても光学系は簡単にはいじれないからソビエトカメラもレンズは行けるという希望的な憶測もできます。それも、K産党がちゃんと給料を延滞せずに払って、行員がウォッカ飲みながらいいかげんな仕事をしていなければですね。

新世界レコード社はレコードというよりはレーニンさんの描かれたバッチや冊子を買いに行った記憶があります。ゴルバチョフさんが倒されてエリツインさんが興った頃までは赤いアイテムは売っていたのですが、モスクワで戦車まで動員したクーデター以降はレーニンさんのバッチは無くなりました。プラウダはどこで手に入れたんだっけなあ。

キヤノネックスのあの個体はちょっと露光がオーバーなんですよね。被写体によるのかもしれないのですが。しかし、ちゃんと結像しました。マミヤファミリーやコーワHなど、廉価レンズシャッター機の報告もせねばですね。トプコンPRもまだ報告していませんね。ウェイトリストが増えるばかり。

戦前のドイツ製レンズを語りながら東西ドイツ分割時代を知らない若者を困ったものだと見ていたのですが、今となってはソビエトという国が存在したことを説明するのは難しいですね。説明が長くなっちゃうんですよね。サバイバルゲームなんかでもAKファンは多いのですが、「テロリストの銃」という認識はあっても「ソビエトの銃」というのはうすぼんやりです。迂闊に「カラシニコフは・・・」などと口に発するとポカンですね。

1ルーブル250円だと本カメラは7000円でしょうか。21世紀の日本の7000円と70年代の日本の7000円も意味合いが違ってきますが、当時のソビエトで7000円。或いは米ドルで40ドルとなると全く意味が変わってきそうです。

本カメラの三昧玉はいいですね。やっぱりソビエト物は1970年代が強いでしょうか。スメナ35なんて本当に酷いんですから。

投稿: Rikkie | 2019年2月25日 (月) 14時52分

どもども、k-1!輜重兵殿。

キリル文字の不思議さは拙僧も異文化や宇宙文字を連想したものです。それで高校時代にNHKのロシア語講座を見ていたのですが1週間と続かなかったですね。

K産主義が世界の脅威だった頃のカメラで萌えキャラを写すのは割と意図的だったのですが、すくっていただいて嬉しいです。

本カメラのような「資本主義の堕落」とはベクトルの異なるカメラで「資本主義の悪」を撮るというのも結構悦に入って楽しいモノなのですが、「ロモグラフィー」の仲間と思われるのは抵抗あるところではあります。別に「ロモグラフィー」を否定するつもりは無いでのすが、拙僧の友達ではありません。

もっとも、最近見かけた限りでは若い方々でフィルム写真を楽しんでいらっしゃる方は「ロモグラフィー」なカメラよりはペンタックスSPとかニコンFMあたりの硬派なカメラを使っているようですよ。

「ロモグラフィー」などに傾倒しているのは意外と年齢層も上がっていい歳なのかもしれません。フィルム+DPEで1.5千円も払える意識高い系の若者がコニカIIIや小窓のレチナを使っているのを見るのは、ちょっと希望が持てるモノです。

投稿: Rikkie | 2019年2月25日 (月) 15時04分

どもども、Rikkie師匠。
わたくしもボヘミアンラプソディーに行ったら感動しました!あんまり感動しすぎて、私も熱く生きなければ!と、ヘロヘロの状態で確定申告書を一気に仕上げたら重い風邪をひきました。
自分のペースで行かなくてはと思いました。

投稿: とりおた | 2019年2月26日 (火) 09時42分

どもども、とりおた殿。

ご体調を崩されましたか。ちょっと熱くなりすぎましたか。季節の変わり目ですからご自愛を。

やはり自分のペースは大切ですね。上手くいっているという時こそ怖い時です。

たまには熱くなりすぎるのも良いものだと思います。

投稿: Rikkie | 2019年2月26日 (火) 16時38分

今晩は。共産圏のカメラは外貨稼ぎの一つなのか。あるいは、共産圏の同志諸君が仇敵ドイツや日本のカメラばかりでは忍びなく開発したものなのか。
フィルムの付いたレンズならば『写るんです!』には及ばない。どこか、物としてのこだわりを残していますよね。機密保持が厳しい旧共産圏で家族の行楽写真もままならず、誰がカメラを使わせようと開発したものなのでしょうか。その頑なさや融通の効かない存在が共産圏カメラなのかな、と記事に接して勝手に解釈しました。

投稿: HOOD | 2019年3月 5日 (火) 23時15分

どもども、HOOD殿。

ロシア人は、どうも写真好きの様ですね。貧乏なので金型も変えずに似たような廉価カメラを大量生産したりハーフカメラが盛んだったり台所事情が見え隠れしますが。

恐らく、ソビエトカメラというのは外貨稼ぎという一面と共産主義の理想郷であるソビエト国内でカメラが手に入らないと困るという両面があると思います。恐らく、ゼニットやゾルキーという高級(ソビエトの価値観で)カメラを手にするのは中々難しく、多くはスメナ8Mや本カメラ、アガート18Kなどがよき人民のカメラとして流通したのではないでしょうか。

確かに駅構内で撮影していたら人民警察が飛んでくるでしょうね。ソビエトに鉄っちゃんはいなかったでしょう。万が一、貨物列車が戦車や軍事物質でも運んでいたら、ドンでもないことになりそうです。

はやり、正しい人民はしかるべき公園、あるいは海岸沿いや森林で家族を撮影するものであり、観光地でもない商店街や裏通りをスナップ撮影するなどという西側に頭をやられた非生産主義者は粛清の対象となったことでしょう。

投稿: Rikkie | 2019年3月 6日 (水) 07時20分

こんばんは。ロシア人が写真好きとは未知でした。1970年代の鉄道マニアが海外旅行で共産圏をスナップして冷や汗を経験しながら、貴重な駅風景を撮影した記事を見たことがあります。鉄道職員の記念写真を撮影することで許可を貰ったのだとか。そうした最低限の写真ならば充分に機能を果たせるのがロシアカメラなのですね。フィルム性能も優れた環境とは言えなさそうですし、その状況下でも撮影を可能とする『カメラ界のAK47』が試される大地の条件と思いました。最近、キヤノンやペンタックスの古いデジタルカメラを買って遊んでおります。200万画素のペンタックスオプティオ230など思いの外にフィルム的な写真プリントが得られました。お気に入りはキヤノンS5isです。キヤノネットG3以来の名機系譜で、ジャンクカメラ千円でしたが実に使いやすくてスナップ用に、それはまさしく『西側に頭のやられた』奴です。

投稿: HOOD | 2019年3月 6日 (水) 21時50分

どもども、HOOD殿。

70年代に鉄道のような重要なインフラを撮影なさったというのは貴重ですね。21世紀のソウルのメトロで写真を撮っていたら警備員に注意されたことがあります。それほど強い口調では無かったですが、やっぱり駅や空港というのはテロのターゲットにもなりますし、ナーバスなのでショウ。

ロシア人が写真好きだという明確な資料はないのですが、何せ西側の人間が見向きもしないような廉価カメラがMig21のように西側の常識とはけた違いですから、需要があったのではないでしょうか。

西側であったら樹脂の使用量や生産の合理化による電子化などが優先されるのでしょうが、共産圏では単価あたりの利益率などというのは西側の非革命行為となされたのでしょう。

キヤノンS5isですか。ちょっとう羨ましいです。最近では定期偵察内のキタムラの漁場が事実上消滅してしまったので、ジャンクなブツの確保が難しくなっています。
4月末に名古屋の中古カメラ市があるらしいので楽しみにしています。

個人的にはデジカメが最も面白かったのは85~400万画素くらいの頃だと思っています。物撮り用のカメラは今だクールピクス995です。三脚に乗っけるとトップヘビーなのですが、なかなか使いやすく変わりがありません。

投稿: Rikkie | 2019年3月 7日 (木) 08時33分

今晩は。先日の報道で旧共産圏の国からロシアに兵器の返還記事がありました。返還されたのはT34/85で、充分に整備されて使われた戦車群。ロシアに返還されるなりコレクターや映画会社から問い合わせが続いたとか。タミヤのプラモデルしか見たことない戦車が可動品で市場に出されるのも歴史の流れなのでしょうか。
最近、ペンタックスの古いコンデジにフィルム写真的な面白さを発見したり、ようやく入手したキヤノンS5siの元祖ミラーレスな無音シャッターの優位性と単3電池を入れ換える際に4本の孔を眺めながら、カメラながらリボルバー的なアクションを楽しんでみたり…手にして即座に使えるインターフェイスが良いだと思います。

投稿: HOOD | 2019年3月 8日 (金) 02時32分

どもども、HOOD殿。

T-34/85といえばユーゴスラビア内戦の時にT-72なんぞよりも、よっぽど元気に走り回っていた記憶があります。ユーゴスラビア連邦という国があったことも説明しづらくなっていますね。
あの85mmライフル砲は多分、共産中国の62式軽戦車や63式水陸両用戦車と同じモノで、北朝鮮のPT-85に搭載しているモノも同じではないかとにらんでおります。大元帥さんが生まれて初めて乗った戦車を天才的に操縦したというのはPT-76かと思っていたのですがPT-85の可能性がありますね。恐らくかの国の海軍歩兵では稼働状態にあるのではないでしょうか。

海外だと軍用車両のコレクターが航空祭などで自慢の第二次世界大戦時の戦闘車両や第一次世界大戦時の複葉機などを持ち込んで展示していますが、ああいうのは羨ましいです。拙僧がバンクーバー在住時代はP-51マスタングとF-15が並んで飛んでいました。

最近、久しぶりにモデル撮影をしたのですがニコンD5000やルミックスDMC-GF5は写りすぎますね。特にルミックスDMC-GF5は女性の肌の好ましくないテクスチャーを描画してソフトフォーカスに修正が必要でした。あれは解像感を無暗に誇張するような画像処理を行っているのかもしれません。

女性ポートレイトには600万画素のD70や*istDLあたりが丁度良くなだらかにしてくれて都合がいいものです。

投稿: Rikkie | 2019年3月 8日 (金) 15時42分

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