ニコン TWズーム(ピカイチズーム)
「コールドストーン」というアイスクリーム屋がある。ざっくりいうと「オーダーを受けると歌を歌いながらアイスクリームを捏ねる」のをユニークなサービスとしている。勿論、シャイな日本向けにサービスをキャンセルすることは可能だ。「歌」を付加サービスにすることは我が国では珍しいことではなく、草津の温泉では「歌」を歌い終わるといい塩梅で湯を揉み終える。
工業製品メーカーが市場に向けてマウントをとるために付加サービスをあれやこれやと組み込むことは珍しいことではない。どうも我が国ではその傾向が強いようで国内向けにはゴージャスな機能を満載し、海外向けには簡素にして廉価にするケースは少なくない。こういうのはソビエトが衛星国向けにグレードが低い戦車や軍用機を供給したのとはちょっと異なる。もっとも、衛星国やアメリカ製やヨーロッパ製のブツが買えない途上国では入手がし易く手のかからない廉価モデルの方が都合がイイという事情があった。中東の砂漠地帯で核戦争の可能性がなければミグ21だって、必ずしも全天候型が必須ではないだろうしな。ただ、我々フィルムカメラの落穂ひろいにとっては、概ねメーカーサイドのサービスというのは「大きなお世話」であることは往々にしてある。
ニコンというメーカーはサービスが少ない、あるいは無い方が評価が高いメーカーなのではないかな。もっとも、本カメラは付加サービスはともかく、カメラのベースとしてのパフォーマンスは満足だ。
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コメント
このカメラと、記述にあったAD3は、昭和から平成に代わったそのころ、カメラ販売のアルバイトをしていたころに売りました。安さではFUJIなんかの安いほうが売りやすかったですが、AD3の接写能力とか、ボタンを押せばフラッシュキャンセルなど、結構親切な設計だと思いました。両機種ともご縁がなかったのですが、両機種とも見るとむずむずして欲しくなります。わかっている人には売りやすかったです。当時25点測距というのはとても多いですよね。単焦点機なんか5点、親切で7点でしたから。断続的にズームできるというのに当時面白がった記憶はあります。写りでは、当時はわかりませんでしたが、まじめなものを作っていたんだなぁと写真を拝見して思いました。
投稿: カメ鬱の横須賀与太郎 | 2019年5月25日 (土) 22時04分
どもども、横須賀与太郎殿。
AD3のレンズは好きです。ボディの大きさを無視すればニコンミニよりも好きですね。あの暗部で粘る調子の硬い28mmも良いものですが。
本カメラも描写力は単焦点レンズに劣っていないと思います。もっとも、それは広角側の話で望遠がはちょっと甘いというかAEが遅くなりますね。しっかりとホールディングすれば問題ないのでしょうが、辻斬りスナップでは少々難です。望遠側でスナップシューティングは虫が良いのですが。
本カメラのような素性の良いカメラでなくてもフィルムカメラのコンパクトカメラは出物がなくて困りますね。この間、BOXに行ったら本カメラが5000円くらいしてビックリしました。
投稿: Rikkie | 2019年5月27日 (月) 05時35分