ペンタックス Zoom60
失ってから「あれは惜しかったなあ」というのは、どなたでもちょくちょくあるだろう。拙僧なんて今でも10歳の時、新車で買って6万km走ったスズキGSX400Rインパルスを「手放さなくてよかったな」なんていう夢を今でも見る。コケてあちこちボロボロだったので、今は無きニフティの個人売買で二束三文で手放した。今ほど選択肢は無かったしな。最初の単車が原付のウルフ50だったりしてスズキというブランドには一種の愛着がある。もっとも、その後スズキの単車や四輪に縁は無かったが。そのスズキの名物社長が御年91歳で引退するようだ。偉大なる「中小企業のオヤジ」である氏の天才的なセンスでスズキはなんとか世界、とりわけ第三世界に名をとどろかせたのである。その社長の交代は一スズキファンとしては心配だな。今でも心が折れそうなときは、「キリン」の「カタナ」を正座して眺めるのだ。
そんなスズキには「業界に先駆けて」という冠がよく似合う。GSX-1100Sカタナ、RG-250ガンマ、GSXR-1100(油冷)など、「あの、か細いキャストホイールのスポークはリッター車のモノとして耐久性は大丈夫なのか?」と素人を魅了するに十分だった。一方で「露骨なコストダウン」というのはスズキの悪評に当たらない。GSX-R250がカタナ250になったってコブラになったって嬉しいじゃないか。スズキは単車乗りに身近なサイドキックフレンドである。
カメラのサイドキックフレンドといえば、やはりペンタックスということになるだろう。ペンタックスも業界の先駆けになることが多かった。一眼レフカメラの普及、クイックリターンの導入。ペンタプリズムの搭載に完全自動絞りだ。そんなペンタックスは一眼レフ以外のカメラ。つまりAFのコンパクトカメラには遅れてしまったが、世界初のズームレンズを搭載したコンパクトカメラを市場に投入したのはペンタックスだった。
本カメラは、その世界初のズームレンズを搭載したコンパクトカメラの廉価機なのだが、素性の良さは引き継いでいたんじゃないかな。
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