2020年3月27日 (金)

フジフィルム フジペットEE

Dscn0231コロナ熱で3月のイベントはほぼ全滅になってしまった。拙僧の駐屯地界隈の桜はあと1~1.5週間後が見ごろといった感じなのだが呑気に桜祭りを撮影するというわけにはいかないかな。なにせ東京の桜名所は軒並み「停止した鑑賞も禁止」だそうで桜通りは往来禁止にするようだ。拙僧の駐屯地のような田舎は、そこまでシリアスではないだろうが、このまま4月の方々の春祭りも中止となりそうでスナップシューターとしては寂しい限りである。

Img772白状すると拙僧は寿命をまっとうするまで「世界戦争」なんてのは起きないと思っていた。いや、地域的には大きな紛争になったりするだろうけど日本の首都に戒厳令が出るような事態にはならないと高をくくっていたのだ。ところが、どうやら北米も欧州も準戦時体制のようだ。菊花の御門の我が国も首都の移動が極めて制限されるらしい。もっとも、パリやロンドンが厳格な外出禁止令を出せるのも戦時下を想定してのことだ。我が国も真剣に考えた方がイイだろうな。

上を向いて歩いていればよかった本カメラの時代は、ある意味幸せだったのかもしれないなあ。それでも拙僧は今の時代が嫌いではないけど。

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2019年10月 5日 (土)

アグファ オプティマ 1035 センサーエレクトロニック

Dscn0732 随分とブログ更新をサボってしまって申し訳ない。拙僧のような暇人が時間の忙しさを理由にしてはいけないのだが、最近、ポートレイト撮影にもご無沙汰だし、スナップ撮影は世知が無い世の中でモチベーションは下がるし、なにかと天候不順だったり交通費が調達できなかったりで師団の稼働率が下がっているのだ。いや、サバイバルゲームとかインスタグラムの作戦は順次なのだから、やっぱり戦略的目標がカメラ・レンズから少し外れたのは否めないな。

しかし、今回は久しぶりにまとまったコンテンツを作ったのでご了承いただきたい。

Image6「アグファ オプティマ 1035 センサーエレクトロニック」という長い名前のカメラが今回の主役である。我々が「オプチマ」と想像すると金属製の不愛想な世界初のプログラムAEカメラを想像するが、ネット検索で「アグファ オプチマ」と検索をしても、まずヒットしない。ヒットするのはロモグラフィー扱いされた本カメラのような電子シャッター機である。

それにしても困ったのは、ドイツ製コンパクトカメラはADOXもフランカもミノックス35も似たような外観でモデルが違い、その違いがプリントで表示していないか表示した形跡はあっても消えていたりする。なのでカメラとしてのブツはあっても特定のモデルと断定するのは難しい。

本カメラも僅かな手がかりから特定に至ったのだが、ミノックス35のサブタイプなんていまだに把握できないな。それにしても久しぶりに眺めるゾリター40mmF2.8で描くネガの描写は良いもので、やっぱり師団運用を撮影にも割きたい気分だ。

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2019年3月 9日 (土)

アグファマチック4000ポケットセンサー

Dscn4638フジフィルムの感材サービス撤退以降、その影響は思ったほど悲観的なものではなかった。もっとも、今はライカ判にしろ120判にしろアクロスが残っているので安心しているが、これが底をついたら代替フィルムの確保は難しいだろう。

取り立てて油断していたわけではないのだが、気づけばミノックス判フィルムの供給は完全に消滅、110判フィルムの確保は風前の灯火となっていた。ロモグラフィーがそれとなく供給してくれると楽観視していたのだが、既にモノクロネガの供給は終了したようである。拙僧は慌ててアマゾン先生の最後の3本を確保した。カラーネガは複数の手段で手に入るようだが、先は見えているだろう。

Image22110判フィルムの自作化は過去に成功しているのだが、あまり積極的に自作することは無いだろう。16mmフィルムと異なり、110判フィルムは自分で装填することを想定していないからカートリッジの分解と組み付けは楽ではないのだ。それに、気づくと110判カメラは本カメラとローライA110キヤノン110EDとミノルタ110SLRマークII、それにポケットフジカ350ズームとミラックスの簡易カメラくらいだ。意外とあるなあ。使っていないのはポケットフジカとミラックスくらいだから、ひとまずコンテンツを作って処分するしかないな。

それも、辛うじて110判フィルムをロモグラフィーが供給している現在の話であって、フィルムが無くなったら確実に不良債権になるだろう。さっさと撮影して売りさばきたい。

なんだかネガティブなブログとなったが、コンテンツもご覧いただきたい。

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2019年2月22日 (金)

BelOMO VILIA”ベルモ ビリア”

Dscn8585過日になるのだが「ボヘミアン・ラプソディ」を観たのだ。率直に言って感動してしまったな。拙僧はQEENの世代よりは1ターンか2ターン若い世代なのだが、なんだか同じ時代に生きたような錯覚に落ちいてしまった。拙僧の妻など、文革後の黒竜江省辺境の生まれなのだが明らかに影響を受け、全体主義国家にありがちな権威主義がいくぶんか和らいだ感じがある。大学時代にバリバリのK産党員だった妻が、フレディ=マーキュリーさんに自己投影するくらいなのだから、音楽は世界も変えないし戦争も消滅させないが、一個人の生き方の価値観を微調整する力くらいはありそうだ。Img912
錯覚の「三丁目」に浸るならソビエト社会主義共和国連邦(C.C.C.P.:サユーズ・サビエツキフ・サスチャリスチーチェキフ・リスプーブリク)はうってつけだ。勿論、当時のソビエトに実際に生まれるなんてのは見も毛もよだつ。しかし、鉄のカーテンのこちら側で勝手に理想郷を描くのも自由主義者の自由だ。今となってはインターネットがやかましいが、「モスクワ放送」と「神田の新世界レコード」と「今日のソ連邦」しかキラーコンテンツが無かった頃を偲ぶのが錯覚の「三丁目」の楽しみ方だ。

今から考えればソビエト議会式社会主義というのは「みんな貧乏だから平等じゃないか」という思想だった気がする。そういう、貧乏というか質素な良さが本カメラには有るな。トリプレットと堂々と表記した三枚玉はアーガスC3のような「食物添加物に頭をやられた資本主義の悪魔」を開放するに十分な打撃力である。

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2016年5月11日 (水)

キヤノン オートボーイWT28

1525255_img日本人の海外旅行のムーブメントがいつ始まったのか分からないが、拙僧の認識では1980年代半ばから後半あたりから「普通の一般人」の海外旅行が現実化したと思う。勿論、これは都市圏の話で貧しいイルクーツクでは90年代後半になっても海外へ行った話をすると「お土産は?」と右手を出したものだ。これは貧しいと言うよりも知的センスの問題なのかもしれない。それはともかく、カメラメーカーとしても海外旅行に向いたカメラの供給を真剣に考えたようだ。

Image32そこで海外旅行で必要なオプションは何かというと、当時のカメラメーカーはクレバーでコンパクトカメラに広角28mmのレンズの搭載を選択した。それまでのコンパクトカメラは大抵35mmとか38mmとか準広角レンズと言っていい焦点距離だったのだ。なんたってトラファルガー広場にしろ万里の長城にしろ、エッフェル塔にしろ広角でないと入りきらない。

本カメラが初めて28mmレンズを搭載したカメラなのかはよく分からないのだが、極めて初期に登場したカメラなのは間違いないだろう。本カメラのネーミングにある「WT」は「ワイド・テレ」ではなく、「ワールドトラベラー」を意味する。当時のキヤノンは28mmだけでは物足りないと思って二焦点レンズにして48mm側も搭載した。翌年にはぐっとスリムでモダンなフジフィルムのカルディアトラベルミニが登場するのだが、やはり二焦点レンズだった。ズームレンズを搭載するコンパクトカメラは既に存在したが、かなり大きく重くなったので28mmをカバしたズームレンズの搭載は難しかったのだろう。実際、コンパクトカメラの衰退期に至っても28mmをカバーするズームレンズを搭載したコンパクトカメラは稀だった。

世界が一転し、デジカメ大戦がはじまって海外旅行を売りにした「きみまろズーム」のルミックスDMC-TZ1は35~280mmF2.8~4.3の光学10倍ズームレンズを搭載していた。当時、既に28mmから始まるズームレンズを搭載したカメラは珍しく無かったけど、広角よりも望遠を重視した。恐らく、ターゲットとなる婦人層は韓流アイドルを遠くから見るよりも、ぐっとアップに撮りたかったのだろう。勿論、DMC-TZシリーズも速やかに28mmをカバーするようになる。

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2014年9月17日 (水)

ニコン ズームニッコール 35~70mmF3.5~4.8

Dscn0325ニコンの現行フィルムカメラはF6とFM10のみと聞く。F6の方はよくわからないけど、多分、FM10には本レンズが保続しているのではないだろうか。そういう意味で、ニコンのフィルムMF一眼レフカメラの最後の砦を支えるのが本レンズなのだ。

Image39 真面目に紹介したコンテンツは殆どない。あっても他のコンテンツや雑誌などのメディア媒体での評価を鵜呑みにして嘆いているモノばかりだ。中には本レンズの機動性やデリカシーのある描写を活かして、美しい写真を掲載するかたもいらっしゃる。
本レンズの評価が低くなるの原因になるとしたら、諧調のノリが薄く立体感の押しが弱い点だろうか。しかし、本レンズのディテールは繊細なモノの決して立体感が無い訳ではない。確かに絵力の強い描写ではないが、デリケートなラインで描く被写体は安ズームレンズだからダメだという物ではない。数倍もする有名ブランドのズームレンズでコストパフォーマンス的にダメなレンズはいくらでもあるだろう。ライター連中を真に受けて、デジ画像らしいエッジの効いたシャープネスや抜けのいい高コントラスト(拙僧の嫌いな語彙だ)だけが写真の価値だと思う方は、個人のパーソナリティを捨てて、お偉いセンセイやメディアのコピー人間になるのも良かろう。そういう方には本レンズは用の無いものである。

Image91 しかし、写真表現や撮影の楽しさは別に雑誌や写真教室の御手順通りに撮影してヨドバシカメラのカレンダーと同じ写真を撮ることではない。そういう、自己のパーソナリティを持ちプライオリティをモチベーションとして撮影の醍醐味に挑むとしたら、本レンズは入門書として福音である。

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