2018年2月 3日 (土)

レトロパン320ソフトでポートレイト

Image296今回の写真というかネガはいずれ「ガンガールズ」シリーズでも展示する予定なのをご了承いただきたい。

前々からフォマのレトロパン320ソフトというフィルムに興味があって、何かを買ったついでに1本買ったのだ。しかし、現像液を選びそうだし、現像もナーバスなようで使うのを先延ばしにしていた。それを先日のクリティカルなポートレイト撮影で投入したのだ。

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結果的には「ソフト」という命名とはかけ離れたハードボイルドなフィルムである。荒々しい粒子と硬調が昭和感たっぷりだ。拙僧がこれを「国府宮はだか祭」のスナップを撮ったのなら小躍りしただろう。

しかし、被写体は柔らかいモデルさんなのだ。表現としては非常に面白いのだが肝心なのはモデルさんの評価なのだ。要するに「綺麗で可愛く」写っていればよい。

この暴れ馬のようなフィルムをそれなりにポートレイト写真として観れるのは、モデルさんのクオリティが高いからだとしか思えないな。ヤシノン5cmF2のパフォーマンスでもなければ、決して拙僧の腕前ではない。

コンテンツもご覧いただきたい。

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2017年4月29日 (土)

やっぱりパターソンのタンクだ(ポートレイトモデル撮影)

Dsc_0092拙僧は「カメラのキタムラ」のフォトカルチャークラブの会員である。会員費がかかる有料のサービスだが、感材や現像の代金を割引きしてくれるので、アクロスを「標準的な日本人のビール」くらいのペースで消費している拙僧にとってはありがたい話だ。しかし、若干の不満がある。つまり、フォトカルチャー会員の特典として、撮影会イベントがあるのだが、東京や大阪に比べて名古屋は非活性なのだ。たまに、「スイートフォト教室」みたいなイベントが時たま立が、そんないイベントは遠慮したい。

Dsc_0032ところが、珍しく「スナップ感覚でポートレイト撮影」というイベントが立ったのだ。名古屋某所でモデルさんを気楽に撮影するものらしい。拙僧の師団は沸き上がった。速攻で、申込用紙をFAXで送ったのである。FAXというのがレトロな感じだが、参加者のメンツもレトロな感じなのだろう。無論、メールでの参加も可能だ。

Dsc_0241動員した装備は下記の通り。

デジ大隊:

ニコン D70

AiAFニッコール50mmF1.8

タムロンAF90mmF2.5マクロ(Fマウント)

ライカ判フィルム大隊:

コンタックスRX

コンタックス プラナー50mmF1.4

コンタックス バリオゾナー80~200mmF4

中判フィルム大隊:

ペンタックス645N

SMCペンタックス45mmF2.8

SMCペンタックス80~160mmF4

Dsc_0027わりかし本気な編成である。拙僧がポートレイトを撮影するには重装備という程ではないが、ショップ主催の2時間の撮影としては、これ以上の部隊編成をしても運用は難しいだろう。

募集は6名だったはずなのだが、実際に集まった参加者は拙僧も含めて7名だった。1名を除いて、拙僧に比べて高齢の方々であったな。講師の方による簡単なレクチャーを受けて撮影が始まる。「絞りはなるべく開けて」というレクチャーを受けたので、基本的には「レンズはF8前後に絞る」という交戦規定の拙僧も、たまには開放で使うつもりになったのだ。

Dsc_0230いつもなら積極的にモデルさんに声をかける拙僧だが、今回は控えた。やっぱり、ショップの主催する撮影会だから遠慮したのだ。しかし、同じようなポーズで、皆さんは黙々と撮影しているのだ。段々、ツマラナイというか、折角の撮影なのに損をしている基部になってしまったのだ。拙僧は徐々に大胆になっていく。

「xxxちゃん、折角だからちょっと腕を頭の後ろで組んで、上半身を斜めにして視線を貰っていい?うわ、可愛い!良い良い良い!あごのラインと眉毛のラインが最高!!」

しかし、そんな感じではしゃいでモデルさんに話しかける参加者は皆無だった。皆さん、つまらなく無いのかねえ。熱心に講師にアドバイスを求める若い方がいらっしゃったが。

とにかく、最初は表情の硬かったモデルさんにピースサインをして頂けるほどコミュニケーションは成立した。

モデルさんはプロというよりも、講師の方の専属のモデルさんらしい。こんな感じで、図々しくていいっすか?と講師の方に聞いたら「グットジョブ!」と仰っていたのいいのだろう。

Dscn7598_2デジ画像の方はそんな感じ。肝心なのはフィルム大隊の活躍だ。何せ、先週の中古カメラ市で鹵獲したバリオゾナー80~200mmF4をさっそく動員したからな。

現像を実行したのは27日(木)。朝は寒くて水温が17度に達しなかったのだが、だんだん晴れてきたので日向に現像液のボトルを置いて液温を上げ、現像を始めた。

現像液はSPD。これでアクロスもTMAX400も楽凱SHD100も、同じパターソンにぶち込む。 ところが、今回は120判ネガが多くてパターソンが乾くのが間に合わなくなっちゃった。現像したのはポートレイ撮影のネガばかりではない。拙僧はケチなのでネガは撮り貯めて一気に処理をして現像液を使い回すのだ。そこで、初めてキングの3リールタンクを使ったのよ。

といっても、パターソンのつもりで120判のスプールを2本装填。 なんだか、それがイレギュラーな使い方だったのか、凄く使い辛い。ライカ判リール3本だったらもっとだろう。それに、現像液の使用量がパターソンの3本タンクよりもかなり多くて、現像液の投入量が足りなく。肝心のネガ不完全になってしまった。毎度のことながら不運にも、パーになったのは気合のペンタックス645用45mmF2.8の女子ポートレイト。折角、前回の女子ポートレイト撮影で使ったマミヤM645ようセコール45mmF2.8と比べたかったのに。

悪いのはあっしだが、2度と、このタンクは使わん。

Dscn7599それで出来上がったのが、この不完全なネガ。 不幸中の幸いなのは、撮影初めの頃なので、モデルさんも素の立ちポーズが多く、足をトリミングすれば見れなくもないか。

現在、ネガは乾燥中で、意外と早くバリオゾナー80~200mmF4の報告ができるかもしれない。

講師の方は7月に水族館と夜景の綺麗な湾岸でLEDライトを使った夜間ポートレイトを構想しているらしい。流石にフィルムカメラは動員できないが、意外と楽しいフランクな撮影会だったので、是非、実現して頂きたいものだ。

もっとも、拙僧が一方的にフランクだった可能性が高いな。

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2017年2月15日 (水)

TMAXデベロッパーに初挑戦

Dscn6520プレスト400亡き後、代替品となるISO400フィルムを見つけるのは困難だった。スナップならフォマパン400でもケントメ400でも構わなかったのだが、粒状性や諧調表現が女性モデルポートレイト写真となると満足でなかったのだ。ISO100フィルムなら迷わずアクロスが使える。しかし、条件が必ずしもアクロスに適するとは限らない。そんな時にはISO400フィルムが必要なのだ。無論、TMAX400やイルフォードなら満足な結果を得られるのは承知していたが、いかんせん高い。TMAX400がプロパー価格で1本1000円程度。これは、かなり躊躇する価格帯だ。

Image25だが、結局、TMAX400しか選択肢は無いと結論付けた。イルフォードは全く手が出ないし、TMAX400ならキタムラネット会員で僅かながら安く買えるからだ。ところが、いつの間にか「かわうそ商店」さんがTMAX400を3本で2520円で売っているのを発見した。これなら1本850円くらい。オリエンタル400と同じくらいの価格帯だ。勿論、気さくに使える程に安いわけではないが、購入や使用のハードルはかなり下がった。

Image3しかし、現像はD-76で行っていた。場合によってはSPDによる現像も躊躇しなかった。理由は拙僧がケチでやっつけ仕事だからである。TMAXはTMAXデベロッパーを使わないと意味がないと言われていたが、拙僧には高額で扱いづらい現像液という印象があったのだ。しかし、TMAX400が3本で2520円なら主力をTMAX400にして、店頭購入が楽で荒っぽい現像に耐えてほしい時にはオリエンタル400を使い分ける運用が現実化した。そうなると、折角だからTMAXデベロッパーを使ってみようかと思ったのだ。そして、ビック.comの注文・入金から数日も経たずにTMAXデベロッパーは届いた。

Image35_2まず、原液を溶き始めてから出来上がりが3.8Lなのに気づいた。最初によく箱を読めって話だよな。慌ててボトルを追加したのだが、結局、原液は3.2Lくらいになってしまった。しかし、原液を希釈して使うと聞いていたので、希釈の段階で調整すればよいと気さくに考えていた。そう、拙僧はTMAXデベロッパーは原液を4倍に希釈して使うと認識していたのだ。なので、その時は「なんてリーズナブルな現像液なんだろう」と思ったのだ。
しかし、実際に4倍に希釈した現像液でペトリ7で撮影した楽凱ラッキーパンSHD100を処理すると、かなりアンダーだった。まるで適切な現像液を4倍に薄めたかのようだった。いや、それはイイ加減なラッキーパンSHD100だからかもしれない。実際のTMAX400なら結果は違うのではないかと思ったのだ。
手元にあったTMAX400のネガは3本。同じ日に同じMDロッコール50mmF1.7で撮影したものだ。絶対に失敗したくないネガは、例の拳銃女子のガンガールズのネガだ。しかし、パトローネにはレンズ名しか書いていない。失敗の可能性は高い。そして、絶対失敗したくないネガを選んでしまうのは1/3の確立だ。ちょっとした、ロシアンルーレットである。
それで、ちゃんとロシアンルーレットに負けましたよ。泣きたいよ本当に。

Image36ネガは、完全に「適正な現像液を4倍にしたくらいの薄さ」だったのだ。なんなんだよ。拙僧ってバカ?いや、そんなことは分かっているんだけど、どのコンテンツのデータを読んでも4倍に希釈って書いてあるはじゃない。いや、拙僧が何かしらの勘違いをしたのが悪い。それは分かるんだけど、よりによってガンガールズのネガをダメにしてしまうとはねえ。トホホ。 それで、希釈をやめて原液(なの?)でアクロスをテスト現像したら満更でも無かったので、それ以降の現像を続けた。無論、拙僧はケチだから同じ現像液で8本のネガを現像したが、それなりに絵は出てきた。何となくスッキリしない感じはあるのだが、TMAX400をTMAXデベロッパーで現像すると定着後の水洗が難しらしい。それなりに長い時間をかけて水洗したのだが、仕方ないな。

Image10それでも、パソコンというのはありがたいモノで、スキャナーでPCに読み込むとそれなりに鑑賞できる画像になったのは幸いだ。満足とは言わないが、完全にパーになるよりはましだ。それにしても気になるのが、ゴミの付着とネガのダメージ、それに虹色の楕円だ。ゴミの付着に無頓着な拙僧からしても、なんだかゴミの付着が多い気がする。また、ネガのダメージや虹色の楕円が写りこむのが気になる。ネガ自体を確認するとダメージは無いのだ。この「虹色の楕円」の正確な名前は忘れたが、この現象を抑えるためにフラットヘッドスキャナーのネガキャリアは存在し、場合によってはガラスの板でネガを挟むのだ。要するに、ネガのカーリングが酷くて、何かしらの悪影響をスキャニングに及ぼしているのだろう。ネガが印画に耐えられないのは確実なので、これで満足するしかないな。

感材の高額化や選択肢の縮小も確かに困る。実際にはモノクロネガフィルムは思ったほど選択肢は少なくないのだが、キタムラで買いたいとか価格とパフォーマンスのバランスからして、個人的な選択肢が少なくなっているのだけど。

そういうのは、致命的なモチベーションへの打撃にはならないのだが、撮影時に現れないカメラの故障と、フィルム現像時の失敗は本当に凹むなあ。

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2017年2月11日 (土)

ゲッコーMR3(15年近く期限の切れたモノ)

Dscn6129今更、言うまでもないがフィルムカメラの運用は厳しくなる一方だ。別にカメラやレンズの価格は問題ない。一時期、大陸から爆買いによって高騰したレンズも有るが、多くのレンズは適切な価格帯で売っている。一時期、捨て値に近かった頃に比べると大分高くなったが、どちらかといえば常識的な価格帯に戻ったと言えるだろう。ミラーレス一眼のアダプターブームで高くなったレンズも、最近では落ち着きを取り戻したように思える。

Image5問題は感材で、これは確実に高くなってしまった。最早、ポジフィルムやイルフォードのフィルムは拙僧の手が届くものではなくなった。その他のフィルムも一様に高くなった。それでも、フジフィルムのアクロスだけは3本セットで1500円代なので救いの手だ。拙僧はキタムラ会員なのでネット注文すると1500円をわずかに切る。

Image4一方で、オリエンタルのモノクロフィルムの発売など、明るいニュースもないわけではない。1本1000円で諦めていたTMAX400も3本で2520円で売るセラー(かわうそ商店さん)も現れて、ギリギリ運用に耐えている。ISO400フィルムはプレスト400の消滅以降、代替品が見つからずいろいろと試したのだが、ポートレイト撮影で満足なパフォーマンスを発揮するのはTMAX400だけだった。条件が良ければ迷わずアクロスなのだが、条件が不安定な時にはTMAX400しか選択肢は無い。

Image2フィルム代を捻出するのも大変なのだが、もっと大変なのは印画紙だ。これこそ、最早、イルフォードなど手が出ない。ヨドバシカメラで最も安い六つ切り印画紙がイルフォードのクールトーンだったのが幻のようだ。

数年前なら期限キレの印画紙が中古カメラ市で安売りしていることもあったが、今は絶望的である。今のところフジフィルムのバリグレードとフジブロのストックがあるが、いずれも期限切迫か期限キレだ。期限キレなのは全く気にならないのだが、ストックが切れれば同じことだ。一時期まではネットオークションも期待できたのだが、それも今は期待できず、逆に高騰しているという話も聞く。そんな中、大量の印画紙を譲って下さる方が現れたのだ。ありがたいなあ。

Image3_2ブツは期限キレして15年以上経過したものなのだが、そんなことは全く問題にならないな。実際に焼いてみると、ちゃんと絵が出た。印画紙の期限が切れているからモデルさんの魅力が損なわれたとは全く考えられない。勿論、期限の十分な印画紙と比べれば違いはあるだろうが、何も言わずに鑑賞して印画紙の期限キレを指摘する方はまず、いらっしゃらないろう。勿論、数千枚の印画紙を見たプロの写真家やプリンターの方が見れば一目瞭然だろうが、そういう方が拙僧の写真を見ることは無いだろうしな。

ただ、不思議な光線漏れが写りこむことがある。これは、拙僧がビールを飲みながらプリントをしているので缶に反射した光でも異常感光したのかと思ったのだが、どうも、そうではないようだ。

今、プリントしているのは、今年に予定している合同写真展に備えてのテストプリントなので問題にしないことにしている。ひとまず霊的な原因にすることにした。

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また、稀に、このような紫かぶりをすることがある。これは、印画紙の期限キレとは全く関係なく、拙僧がプリントを始めた時からあった。拙僧は日本カメラの「暗室入門」だけを頼りに手探りでプリントをしているから、原因が分からない。ご存知の方は教えて頂きたい。

Image1それにしてもプリント作業は楽しいものだ。

拙僧のような稚拙な者が、ひとまずレンズを語る自信があるのも、実際に数百枚の印画紙を焼いて、レンズによって描写の違いを実感しているからだ。

しかし、先日は6時間も暗室に籠り疲労困憊した。何故かというと、徐々にプリントのシャドウが出なくなってきたのだ。

最初は女性の肌が白くなるのは大した問題ではないと気にしなかったのだが、写真として成立しなくなるほどになってしまった。どうも、拙僧の暗室は納戸を兼ねた簡素なもので、当然空調などない。この季節は上はダウンベストを羽織り、下は防寒パンツを重ね着して、靴下も二重にするのだ。どうも、現像液の液温が下がると急激に絵が出なくなるらしい。

拙僧は理屈は分からないし、液温を上げる手段も無いから感光時間を調節するのだ。感光時間を長くするとひとまず絵が出る。そうやって調整しているうちに、引き延ばしレンズの絞りがF11で感光時間が12秒が適切だったのが、絞りがF8で感光時間が32~36秒にまでなってしまった。その調整に時間がかかってしまったのである。

本当に空調の効いた暗室が欲しいが、とにかく、惜しまずに焼ける印画紙があるだけでもありがたい話だ。

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2017年1月14日 (土)

スーパータクマー55mmF1.8とフジノン55mmF1.8のネガを焼く

Image1念願だったスーパータクマー55mmF1.8とフジノン55mmF1.8のネガを焼き比べてみました。

紅葉に囲まれた方がフジノン55mmF1.8のプリントで、両方ともプリントをフラットヘッドスキャナー(エプソンGT-X700)で読んだものです。

ロケーションは違いますが天候は快晴でフィルムはアクロス。現像液はSPD原液で20度+α程度で同じパターソンのタンクにつめて、5~6分のオシオシやっつけ現像です。個人的には厳密な温度管理やファインプリントには興味がありません。

そもそも、撮影時には適正露出に悩んだ時には迷わずオーバーにするのがポリシーです。

印画紙は頂いた期限が切れて15年は経過したゲッコーのFM3ですが、写真展に展示するプリントではないので問題ないでしょう。

拙僧は、「モノクロフィルムで女子ポートレイト写真を撮るなら、SMCタクマー55mmF1.8が最高」と口外していました。拙僧はSMCタクマーもスーパータクマーも使い分けしていません。

理由はタクマーは解像感や結像よりも諧調でディテールを再現するレンズだと認識しているからです。カラーフィルムならともかく、モノクロフィルムで光源下が大して変わらないのならば、問題ではないでしょう。タクマーが気に入っているのは、女性の肌を穏やかな諧調で再現し、不思議なことに立体感はイマイチなのにディテールを再現する。理屈はわかりません。

それで、昔からライバルになるのはフジノン55mmF1.8だと思っていました。それが実現したのが嬉しいですね。

印画紙が期限キレなのが原因なのか、拙僧の遮光がイイ加減なのかはよくわからないのですが、変な光線漏れが惜しいですが、モデルさんの魅力は損なっていないと思います。

また、同じオーバー気味で撮っていてもフジノンの方はモデルさんの肌が陰になっているので厳密には比較対象のカットとしては適切ではないのですが、それほど真面目に「オールドレンズ診断室」をするつもりはないので構わないでしょう。

それで、フジノン55mmF1.8の印象なのですが、タクマーに比べると結像がしっかりして解像感が高いと思います。ちょっと添付画像ではわかりづらいのですがタクマーの諧調が大体な感じなのに対し、特に女性の瞳や唇、アイラインに艶を再現します。特に髪の毛の精密な再現力はフジノンに軍配が上がりますね。

Image2それでタクマーが劣っているかというとそんなことは全く無くて、タクマーのおおらかな諧調の変化は女性ポートレイト写真というジャンルでは有意義な特性だと感じますね。

ただ、拙僧がもっぱら2号を使っているのに対し、今回は頂いた3号のゲッコーなので、タクマーの穏やかな調子を出すのはちょっと難しく、成功したとは言えないですね。

それでもフジノンの方は同じ条件でも柔らかい調子を再現します。これが何故だか不思議ですね。
最初にタクマーを焼いたので3号だとこんなものかと思ったのですが、フジノンの方が柔らかい描写をします。絞り値による変化はないようです。
一般的にフジノンは軟調になりがちという噂は聞いていたのですが、こういうことかなと、ちょっと思いました。

この辺は鑑賞の最終形が印画紙で焼いたプリントの場合、レンズのチョイスの重要な違いになるかもしれないですね。

個人的には「安定的にはタクマー最高!」は揺るぎないですが、「今日は柔らかくしながらも艶っぽく行きてえなあ」と言う時には迷わずフジノンでしょう。

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2017年1月11日 (水)

フジフィルム カラーライトボックス5000

Dscn6258ありがたいことに、拙僧の貧乏を気の毒に思って、余剰となった機材を無料で譲って下さる方がいらっしゃるのだ。今までも、多くの方にお世話になっている。本当に、ありがとうございました。

先日、「大幅に期限キレの大量の印画紙が出てきたが、今更、自分で焼くことは無いので、お譲りします」というコメントが某SNSの掲示板に書かれていたので。勿論、拙僧は飛びつきましたよ。その方には、何度かお世話になったことがあり、すんなりと承認頂けました。

Dscn6259届いたのは大量のゲッコーで、大体1999年前後が有効期限で15年物。俄然やる気が出るというものだ。くれぐれも、送料は着払いでとお願いしたのだが、送料も負担して下さった。本当に申し訳ないなあ。

更に嬉しいのが、ちゃんとした大きさのライトボックスを同封してくださったのだ。今まで、拙僧はキャビネ判の小型のライトボックスしか持っておらず、大抵の場合はネガを蛍光灯で照らして選んでいた。

それに比べたら遥かに作業効率が高いし、とにかく疲れない。当たり前だけど、本当に良いものを頂いた。譲って下さった方は、このブログは観て頂いていないと思うんだけど、重ねてお礼を申し上げたい。

Dscn6261肝心の印画紙だが、ちゃんと絵が出た。最初の時は「ちょっと調子が硬くて、粗いかなあ」と思ったのだが、だんだん慣れてくると気にならなくなった。調子が硬いのは何時も使っているのが2号で、今回頂いた印画紙の多くは3号だから、当たり前だな。

それに、レンズによって、うまい具合の諧調が出る。やっぱり、レンズの蘊蓄はプリントしてみないと断言できないな。

勿論、期限の切れていない活きのいい印画紙と全く同じというわけにはいかないだろうが、テスト焼きには十分だ。いや、勿論、鑑賞にも不足は無い。

今年、割と真面目に合同展示会だがポートレイト写真を展示するつもりなので、テスト用の印画紙はいくらあっても困らない。

Dscn6260もはや、中古カメラ屋や中古カメラ市で期限キレの印画紙が投げ売りされていることなんて無いから、本当にありがたい話である。

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