2023年1月13日 (金)

コダック VIGILANT SIX-20

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中古カメラ趣味が高じてくると、戦前レンズに関心を持つものだ。もしも、あなたが簡単に戦前エルマーを手に入れることができるのであれば幸いである。しかし、レンズだけ戦前では物足りない。あるいは、そのような引当金は簡単に工面できないという方には、戦前のカメラをいっそ買ってしまうという選択肢もある。

ここだけの話、戦前の交換式レンズをミラーレス一眼につけるのは、まだお好きになればよいという感じだが、戦争を生き残った貴重なカメラのレンズだけもぎ取ってミラーレス一眼で遊ぶというのは嫌悪感を感じざるを得ないな。

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戦前のブツというのは国産カメラであれば、なかなか難しい戦闘になるが、とりわけ完勝したアメリカ合衆国だと程度の良い物件が残っている。大抵の場合はボックスカメラかボックスカメラ同様のボーイズカメラだが、丹念にネットオークションなどを閲覧すると念願のブツに引っかかる可能性は高い。一時期、それなりに値段のついた中判フォールディングカメラだが、最近はさっぱりだ。一方で、この種の値付けの難しいカメラは中古カメラ店では場所ふさぎになっているか、えらく高い。

やっぱり高湿高温の夏を向かる我が国では蛇腹のような生きたマテリアルの保存には向かないのだが、北米のモノは保存状態のよいものがあるようだ。

いつでも転がっているものではないので根気よく探したい。

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2022年11月12日 (土)

理研光学 ベストオリンピック

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拙僧の病気がずっと込み入っていた時、安い中判カメラを蒐集していた。まだ、500円も出せば120判モノクロネガが買えた時代である。一時期は中判カメラが高騰した時期もあったのだが、今となってはフィルム代も高く店に出せば現像代も高く、一部のカメラを覗いて中判カメラの価値は急落してしまった。先日などは綺麗なバロンシックス(革ケース付き)を100円で落選したしな。いやいや、買っている場合ではなく現在もフィルムカメラに限らず、拙僧のガラクタの大粛清は続いている。

もっとも本カメラは中判カメラといっても127判、いわゆるベスト判カメラだ。これも一時期はクロアチア製のエフケしかなかったのだが、その後ローライブランドのモノクロネガが加わった。今(2022年)でも「かわうそ商会」で127判フィルムはモノクロネガの他にカラーネガやカラーポジも売っているようだが1800円くらいして気楽に買えるものではないな。もっとも、バカみたいに高額になったコダックに比べたら買えない価格帯ではない。

 

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拙僧の個体は貼り皮がセンスのイイ木目調にやっつけ仕事で替えられてモデル名もよくわからなかった。そういうカメラを買うというのもどうかと思うな。ひょっとしたらネットオークションじゃなくて中古カメラ市でゴミ同然の価格で転がっていたのかもしれない。

銘板に「Olympic」とあるのオリンパスと関係があるのかと思ったら理研光学、つまりリコー製だということが分かった。

レンズに汚れはあるもののちゃんとしたフィルムを詰めて慎重に撮影すれば、それなりの絵作りをしそうだ。手元には期限が15年以上前に切れたエフケしかなかったので、撮影して現像でおしにおした。それでひとまず絵が出てきたのだが、それでフレッシュなモノクロネガを買って撮影するかというと、ちょっとそれはしんどいかな。

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2022年11月 4日 (金)

太陽堂光機 ビューティーフレックス

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ビューティーフレックスである。「ビューティー」などと口走ると「ルッキズム!!」と弾劾されそうな世の中だ。キューティーハニーさんも令和の世の中では活動しづらいだろうな。そのコスチュームも含めて。

そもそもメーカーや発信者(最近はxxチューバ―とかいう)というのは自信が無いと綺麗だったり立派だったりする単語をつけたがる。ファーストとかゼニットとかだな。もっとも、そういうのはそれなりに自立性があって権威に寄せるネーミングに比べたら清々しい。つまりイコンとかコンタックスとかライカとかを髣髴するブランドは多かったし、今でも生き残ったり全く予想もしなかったベクトルで苦しんでいたりする。市場というのは冷酷だなあ。

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それで本カメラのメーカーである太陽堂光機だが、拙僧が人生を始める前に工場を閉じてしまったようだ。もっとも、太陽堂というカメラ店は、拙僧が上京して青春を謳歌するころにも存在した。なかなかフェアな商売だと聞いているが、やはりフィルムカメラを主軸とした中古カメラ店というのは難しく、令和を迎えることはできなかったようだ。

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2020年5月16日 (土)

プルマ プラス(PURMA PLUS)

Dsc02023今、ラジオが熱い。なんていったって「笑福亭鶴光」さんがレギュラー番組を持っているくらいだからな。そういう「変わらない旧世紀の価値観」が良いというわけでは無く、きっかけは東北の震災とRadiko(ラジコ)であろうな。

Radikoはインターネットで聴けるAM/FMラジオサービスであり、オンタイムでなくても過去1週間以内の番組なら視聴可能だ。また、通常だと在住のエリア内でしか聞けないのだが、有料のRadikoプレミアム会員になると全国のAM/FMラジオ番組を聴くことができる。なので三河の田舎に住んでいる拙僧も、TBSラジオの「アフターシックスジャンクション」翌日の昼間に聴くことができるのだ。拙僧などは最近はTV番組はニュース番組も含めて同じようなモノばかりなので観ていない。やたらとクイズ番組か「つまんねー飯」を喰う番組ばかりじゃないか。それに比べるとラジオはパーソナリティーによって豊富なバラエティーに飛んでいる。

Img770 拙僧にとってRadikoが最もパフォーマンスを発揮するのはキャンプツーリングだ。拙僧は動物の足音を聞く趣味も単車に薪を背負ってファイヤープレイスを作る趣味も無いので、iPadが電波を拾えばRadikoである。これがあれば不安なく夜の闇をやり過ごすことができる。狭苦しく粗い裁縫のバンドックBDK-17の安テントで泥酔しながら聴く「佐久間宣行のオールナイトニッポン 0」は最高だ。端末にとってもラジオ放送は負担が少なく、コスト的にもリーズナブルなパフォーマンスだと思うな。拙僧は最後の最後になるまでアマゾンプライム会員になるつもりは無いが、500円/月のRadikoプレミアム会員には速攻でなった。

それで本カメラなのだが、ラジオ放送と素っ頓狂なギミックでゴージャスに見えてローコストでパフォーマンスを発揮する(のか?)本カメラを組み合わせたコンテンツで結べるような気がしたのですが、上手くいきませんでした(mm。

やっぱり、ブログやHPのコンテンツも定期的に書かないとパフォーマンスが落ちるなあ。

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2020年3月27日 (金)

フジフィルム フジペットEE

Dscn0231コロナ熱で3月のイベントはほぼ全滅になってしまった。拙僧の駐屯地界隈の桜はあと1~1.5週間後が見ごろといった感じなのだが呑気に桜祭りを撮影するというわけにはいかないかな。なにせ東京の桜名所は軒並み「停止した鑑賞も禁止」だそうで桜通りは往来禁止にするようだ。拙僧の駐屯地のような田舎は、そこまでシリアスではないだろうが、このまま4月の方々の春祭りも中止となりそうでスナップシューターとしては寂しい限りである。

Img772白状すると拙僧は寿命をまっとうするまで「世界戦争」なんてのは起きないと思っていた。いや、地域的には大きな紛争になったりするだろうけど日本の首都に戒厳令が出るような事態にはならないと高をくくっていたのだ。ところが、どうやら北米も欧州も準戦時体制のようだ。菊花の御門の我が国も首都の移動が極めて制限されるらしい。もっとも、パリやロンドンが厳格な外出禁止令を出せるのも戦時下を想定してのことだ。我が国も真剣に考えた方がイイだろうな。

上を向いて歩いていればよかった本カメラの時代は、ある意味幸せだったのかもしれないなあ。それでも拙僧は今の時代が嫌いではないけど。

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2019年4月20日 (土)

大同精工 ダイドーモデル1

Dscn3343 最近、ヤフーオークションで出品して値がつかなかったブツをメルカリにまわすケースが少なくない。それで、実際に結構売れるのだ。しかも、ヤフーオークションの時よりも強気な値付けをしても、モノの数分で売れてしまうことがある。メルカリは買う立場からするとアホみたいに高いし、セラーのマナーも悪いので、拙僧もあまいりよい思いをしていないのだが、売るとなるとメリットがある。メルカリのゆうパックは離島を除いて送料が一律なのだ。大きさによって値段は変わるが、同じ大きさなら北海道も九州も同じである。 これならメルカリのホーム画面に表示するアイコンの値段で買えるから通勤列車にもまれながら片手でうっかり押して買ってしまうだろう。

Img386先日、10代・20代のサバイバルゲーム仲間と食べ放題しゃぶしゃぶ屋で20代女子が10代男子に「サバイバルゲームの中で恋人を探すのがよい」 というようなことをおっしゃっていたのだ。拙僧はおっさんだから、うるさいと思われても嫌なので遠回しに「趣味も恋人もサバイバルゲームじゃ人生ツマラナイんじゃないかい」というようなことを言ったのだが違うという。女子曰く「今の若い人たちは忙しいから同じ時間で両方とも楽しみたいんです」とおっしゃるのだ。

拙僧がチーフプログラマやりながら縫うような時間でツーリングやレースをしていた20代の頃に比べて今の若い方々が忙しいかねエ、とは勿論言わなかった。なるほど、それほど忙しければネットオークションでじわじわと値を上げるよりはメルカリであっさり買う方が手間がないわけだ。値引き交渉はあるけれども、終了時間を分単位で眺め続けるほど時間は拘束されないしな。

本ブログとはまるで関係ないが、一見、三丁目カメラに見える本カメラは実力者である。

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2018年7月 7日 (土)

バルダ ポンティナ(戦前)

Dscn0460実は6月に名古屋中古カメラ市が勃発したのだが、拙僧は参戦しなかった。何故かというと忘れていたからだ。いや、正確には忘れていはいなかったんだけど前日の深夜に上海から便が延滞し、駐屯地にたどり着いたのが中古カメラ市の初日だったのだ。睡眠に至るまでは中古カメラ市のことも覚えていたのだけど時計の針は早朝3時を超えていたし、忘れてしまってもいいやと思ったのだ。

それで二日目に戦場に参上したのだけど、無論、そこはぺんぺん草も生えていないような荒地と化していた。

Image3それで中古カメラ市で何も買わなかったかというとそうでもないのだが、あえて報告するようなものはないのだ。むしろ買ったのは名古屋キタムラ買い取りセンターで10%オフで売っていたアクロスである。ライカ判も120判も10%オフで拙僧はフォトカルチャー会員だから20%オフなのだ。なので店内に吊るしてある分は全て買った。

実は、明くる週の月曜日にも名古屋に行く機会があった。委託で出してていたホースマンプレス970とトプコール10.5cmF3.5とトプコール90mm5.6、それに6x7フィルムバックと6x9フィルムバックのセットが売れたのだ。売買値は伏せるとして手に入ったのは9000円にも満たない。何だか悲しいが、買い取り価格は1500円だったから投げ売りである。

本カメラは戦争を生き残ったカメラである。実際に撮影してみたがごく一部のカットで光線漏れが確認できただけでそれなりに写った。しかし、これの買い取り価格は想像もしたくないな。

デニムを着た戦前の中堅クラスの目測フォールティングカメラは手に入れた時と似たような価格帯で旅立って行った。拙僧にしても、120判フィルムを使うのはかなり限定的で、買い手がいるうちに処分しないとな。

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2018年2月17日 (土)

ワルツ商会 ワルツフレックスIII

Photo先日、拙僧の意稚ブログを読んで下さる横須賀与太郎殿から半ダースの120判のローライ400を拝領した。もはや、ISO400の120判フィルムなどとても拙僧のカエル代物ではないから、とてもありがたいお話である。感謝に堪えない。

拙僧が使える数少ない120判フィルムといえばアクロスくらいだ。それだっておいそれと使うことはできない。気合のポートレイト撮影だって数を数えながら撮影する次第だ。なので中判カメラで呑気に撮影するのは難しくなっている。

Dscn0934現在においても大粛清の嵐の真っただ中なのだが、やはり一度は撮影したブツから処分したいものである。最近ではライカ判カメラなら36毎撮りのアクロスを2台のカメラで半分づつ使ってる。全く貧乏くさい話だが実際に貧乏なのだから仕方がないな。それでも、一応は一度使えば手放す抵抗も減るものだ。

Image18本カメラは今ほど120判フィルムの価格がシリアスになる前に使用したことがあるので、撮影結果は多い方だ。しかし、割と露光にムラがあるしシャキッとしたカットが少ない。これは拙僧が下手なのが一番の問題なのだが、コンディション的もクリアとは言えず、そもそも移動する山車を追いかけながら撮影するカメラではないよな。

この手のカメラは古都でもふらりと散歩しながらじっくり撮るのが粋だと思うのだが、拙僧は慌てる貧乏なので、そういう機会を作れなかった。

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2017年12月16日 (土)

イルフォード=スポルティ

Dscn1021我々がドレスデンを知っているのはツアイスをはじめとした光学機器メーカーのメッカだった。最近思いついたのだが、アメリカ人がドレスデンやベルリンを灰にしたのはソビエトに光学機器という当時の軍事技術を奪われたくなかったからじゃないだろうか。ドイツの西側や西ヨーロッパ、北ヨーロッパに設置していた飛行機やロケットといった宇宙航空研究施設や原子力研究所はアメリカ人が確保できそうだと確信できたから、嫌がらせに破壊尽くしたのではという気がするな。何せ焼夷弾で東京をはじめとした人口密集地を焼き尽くした連中だからな。

そういう意味でいうとヤルタで決まっていたとはいえメッサーシュミットやBMWのバイエルン州への爆撃はソビエトの強奪を意識していたのかもしれない。

Image263それで勝った方の連合軍だが、儲かったのはアメリカ人くらいでイギリス人は疲弊しきっていた。ドイツから賠償金を分捕れる可能性は殆ど無いし、レンドリースでアメリカ人に借りた金を返すことができたのは2003年になってからだ。何より世界の基軸通貨かポンドからドルになってしまった。完全に日が沈んでしまったな。

モスキートやスピットファイヤで気を吐いていたイギリスだが、民間企業の復興には簡単には結び付かなかった。なので民生の自動車もカメラも、軍備の重火器まで接収したドイツ人の設計書を使ったか、完成品として輸入する羽目になってしまったな。

本カメラの登場は1959年だが、実際にはドイツのダコラが1954年に製造を開始したディグナIを元としている。戦争が終わって10年も経ったら、どっちが勝ったか分からないな。

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2017年1月 7日 (土)

昭和光学精機 セミレオタックス

Dscn6519去年の晩秋あたりから、過去にない規模で大粛清を行っている。基本的には1度でもフィルムを通していないカメラは処分の対象から外していたのだが、感材の価格も上がった現在、全てのカメラにフィルムを通すことは無理だと判断した。そんなことは前から分かっていたことなのだが、覚悟を決めたのである。

Imagea17_2それでも程度の悪い物から処分しているのだが、1度でもフィルムを通したカメラも処分の対象になっている。このレオタックスは実際のシャッターが遅いのが難点だが、レンズも綺麗でボディもしっかりしているので処分は惜しかった。実際、もう少し撮影結果が貯まってからコンテンツを作るつもりだったのだが、泣く泣くの処分だ。

撮影可能の戦前セミミノルタも惜しかったのだが、この辺で思い切って処分しないと、何時まで経っても不良債権が残るままだからな。

それに、このところフィルムカメラが若干注目されているので、処分には多分、最後のチャンスなのだ。

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