既に忘れてしまったかもしれないが、6月に水着モデル撮影会へ参戦した。前回はカラーデジでの撮影に関して報告させていただいたので今回はモノクロフィルムで撮影した感想を報告させて頂きたい。なんといっても、本気はモノクロフィルムだ。
使用機材は前回、報告させて頂いた通りだ。拙僧もフィルム代をケチりたかったのでペンFTを動員したのだが、なんと現地に行ったらシャッターが動かない。いじっているうちにクランク軸が抜けてしまうという痛恨のトラブル。本当に毎回のことなので泣けてしまうよ。しかし、毎度のことなので予備のカメラは十分ある。もっとも、拙僧のこの「どうせ壊れる個体があるだろうから、数で間に合わせる」というソビエトと東側圏のような発想は捨てて、高くてもちゃんとした機材を揃えた方が、結局、安くつくのではという気がするな。
消費したフィルムはライカ判のアクロスが8本、ライカ判のフォマパン400が1本、120判のアクロスが3本である。内訳はEOS1N+トキナ―ATX28~80mmF2.8が7本、キヤノン7+ヘクトール13.5cmF4.5が2本。120判はペンタックス6x7タクマー55mmF3.5が2本、ペンタックス6x7タクマー150mmF2.8が1本であった。基本的には自家現像だったが、拙僧のことだから失敗して全滅という事態は避けたかったので、ヘクトール13.5cmF4.5のアクロスとフォマパン400のトキナ―ATX28~70mmF2.8、それにペンタックス6x7タクマー150mmF2.8の1本づつはキタムラに出した。
ペンFTが戦線離脱してしまったので、ライカ判の主力攻撃はトキナ―ATX28~80mmF2.8が担うことになった。これは名古屋の中古カメラ市で1000円か2000円で確保したもので、デットストックなのではと思えるほど綺麗な個体だった。しかし、経年は隠せず、スグにフォーカシングリングのラバーがはがれ始める。もっとも、このレンズはAFレンズだから、フォーカシングリングのラバーが剥がれても問題にならない。ズーミングリングリングのラバーのダメージはいささか気になるが、今のところは崩壊するほど剥がれていないので、取り立てて不安はない。
トキナ―ATX28~80mmF2.8は完全にカラー時代のレンズなのでモノクロフィルムを通すことには若干の心配があった。しかし、そんなことは無用だった。アクロスの繊細な粒子を正確に再現し、諧調は立体感を描く。流石にF2.8を誇るトキナ―のATXレンズだ。このレンズだけでフィルム7本を通してしまったのは趣味ものとしては食いたりないところはあったが、本来は限定した機材でパフォーマンスを発揮するべきであろう。
拙僧にはリベンジしたいレンズがあった。それがヘクトール13.5cmF4.5である。これは以前の撮影会にも動員したのだが、その時は現像に失敗してパーにしてしまった。なので、今回は失敗できないのである。ちなみに、本ページの最初の3枚はトキナーで、次の2枚がヘクトール13.5cmF4.5である。行進間射撃でピントがあっているだけでも、ひとまず褒めて頂きたいな。
写りは満足なものだ。無論、距離計機で135mmを使うのは容易なことではなくフォーカスを外したカットは少なからずあった。しかし、思ったより外さないな、というのが印象である。
勿論、決め手となる打撃部隊はペンタックス6x7である。これは105mmF2.4付きで「1/1000不良」というセミジャンクを名古屋中古カメラ市で1.3万円ほどで確保したものである。不良が1/1000以外にも波及していないかは不安だったが、テスト撮影での結果は良好だったので動員した。55mmF3.5も150mmF2.8も、どうやら今回が初の出動となったようだ。そういえば前回の水着モデル撮影会ではペンタックス6x7タクマー45mmF4を出した。
フィルムはすべてアクロス。やはり全滅は怖いのでタクマー150mmF2.8はキタムラに出した。結果的には現像に適した気温の季節だったこともあって、自家現像のネガもそれなりので気になった。結果は満足である。特にタクマー150mmF2.8の表現する女性の肉感的な描写は素晴らしい。水着ポートレイト撮影にはうってつけだ。このレンズはもっと稼働するのが適切だろう。
もっとも、セミジャンクのペンタックス6x7に問題が全くなかったわけではない。どうも巻き上げに問題があるようで、最後のカットはフィルムの最後のギリギリになってしまうのだ。これは自家現像ではギリギリ回避できたのだが、フジフィルムに送った分は回避できなかった。折角のモデルさんのポーズが台無しである。これは運用で回避するしかないな。
最後に付け加えたいのがフォマパン400である。この男っぽい粒子のフィルムは自家現像では不安だったのでキタムラに出したのだ。上がってきたネガは期待通りの荒々しい粒子。調子もやや硬いので、ちょっと女性ポートレイト撮影には向かないな。
もっともLetsgo殿がブログでフォマパン100による素晴らしい諧調と粒子の作品を公開なさっている。やっぱり、指定現像液でないと本来のパフォーマンスを発揮しないのだろうか。
フォマパン400はDXコードにも対応していないし、スナップ撮影なら粒子感も活かせるが、ポートレイト撮影のようなシリアスなシチュエーションでは向かないフィルムだな。残念ながらプレスト400の代替にはならない。
目下は、オリエンタルのシーガル400に期待しているのだが。
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