2018年4月 7日 (土)

フランケ&ハイデッケ ローライXF35

Dscn3483拙僧の友人たちの中でもカメラ・レンズの粛清の噂を聞くのだが、拙僧の師団も大粛清の嵐である。こんなことを書くのは何度もなのだが、今回の規模は違う。「これは残しておこうかな」と思っていたブツも躊躇しながら手放した。

理由はフィルムカメラのムーブメントである。最近は落ち着いたのだが、一時期は師団のヤードに転がっている不良債権化を諦めていたブツが飛ぶようにネットオークションで売れた。国内でもフィルムカメラのムーブメントは発生しているようだが、どうも海外で熱心なようで8割がたの落札者は海外のセラーかトレーダーに思えたな。勿論、全てのジャンルのカメラが売れたわけではなく、圧倒的に「電子式シャッター距離計連動機」で何かしらの優先AEかプログラムAEのモノ。一眼レフカメラなんてのはヤシカやキヤノンAシリーズを例外として、ほとんど動かなかった。一時期、世を賑わったホルガのようなトイカメラは悲惨だ。

Image63その、「電子式シャッター距離計連動機」の中でも最上級なのが本カメラだろう。何しろゾナーを搭載している。多くの落札者が落札した物件は日本海か東シナ海を渡ると思われる。大陸でもツアイスブランドは健全というか日本以上だからな。厳密には本カメラのレンズはツアイスからパテントを得たローライ製なのだが、そんなことは問題ではない。今では北京か広州で頑張っているのだろうか。

ローライのコンパクトカメラというとローライ35(初代)やローライ35SEも当然ながら処分した。これらの落札者は日本の方で大陸の方はややこしい操作系の「ドイツ人のマイスター魂」など不要な合理主義者なのだろう。ローライ35シリーズに未練はないが、本カメラはちょっと未練がある。また買っちゃうかもな。

コンテンツもご覧いただきたい。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2018年2月17日 (土)

ワルツ商会 ワルツフレックスIII

Photo先日、拙僧の意稚ブログを読んで下さる横須賀与太郎殿から半ダースの120判のローライ400を拝領した。もはや、ISO400の120判フィルムなどとても拙僧のカエル代物ではないから、とてもありがたいお話である。感謝に堪えない。

拙僧が使える数少ない120判フィルムといえばアクロスくらいだ。それだっておいそれと使うことはできない。気合のポートレイト撮影だって数を数えながら撮影する次第だ。なので中判カメラで呑気に撮影するのは難しくなっている。

Dscn0934現在においても大粛清の嵐の真っただ中なのだが、やはり一度は撮影したブツから処分したいものである。最近ではライカ判カメラなら36毎撮りのアクロスを2台のカメラで半分づつ使ってる。全く貧乏くさい話だが実際に貧乏なのだから仕方がないな。それでも、一応は一度使えば手放す抵抗も減るものだ。

Image18本カメラは今ほど120判フィルムの価格がシリアスになる前に使用したことがあるので、撮影結果は多い方だ。しかし、割と露光にムラがあるしシャキッとしたカットが少ない。これは拙僧が下手なのが一番の問題なのだが、コンディション的もクリアとは言えず、そもそも移動する山車を追いかけながら撮影するカメラではないよな。

この手のカメラは古都でもふらりと散歩しながらじっくり撮るのが粋だと思うのだが、拙僧は慌てる貧乏なので、そういう機会を作れなかった。

コンテンツもご覧頂きたい。

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2018年1月27日 (土)

ペトリカラー35E

Dscn3843今月に紹介したカメラのコンテンツは去年書いたモノだし、「ガンガールズ」はカメラのコンテンツではないので、今年書いた初めてのコンテンツが本カメラだ。その選択肢が「ペトリのカメラ」というのは、なかなかキックが効いていていいんじゃないかなと我ながら思うのだが。

Image2相変わらずカメラやレンズの大粛清が続いている。もっぱらヤフーオークションを利用しているのだが、最近はメルカリも少々利用している。ヤフーオークションで売れないようなものがメルカリで売れる場合があるのだが入金時のの手数料は高いし現金化するにはさらに高い手数料をとられる。メルカリで売った売り上げは直接口座に入金されるわけではなく、売上ポイントとしてメルカリが保持するのだ。現金化することはできるのだがエラク高い手数料をとられるので実際には売上ポイントを使ってメルカリに出品されたブツを買うことになる。全くうまい商売だ。

それだけならまだいいのだが、メルカリはシステムがかなり雑に設計されているのが問題なのだ。例えばメルカリで出品している商品と全く同じ商品がヤフーオークションでも出品されているケースが少なくない。どういうことかというとメルカリで購入手続きをしても最長7日間は出品者は発送しなくてよい。更に3日経つとメルカリからキャンセルの手続きができるように設計されている。つまり、売り手はメルカリとヤフーオークションの両方に出品して高い値のついた方に売ればいいのだ。なにせ、メルカリで購入があっても10日間は放っておけるのだ。その間にヤフーオークションで売れればメルカリの売り上げは無視すればいい。買い手からすれば頭にくる話だが、事実上相手に効果的なペナルティを科すことができないのだ。もっと言えば相手が発送したと嘘をつくと話はもっとややこしくなる。一応、何週間も品が届かなければメルカリが対応することになっているのだが、サービスセンターに電話を架ければ親切に対応してくれるということは無いだろう。なので、メルカリを利用する方は泣き寝入りしてもいい価格帯のモノしか買わないことをお勧めするな。

更に言うとメルカリの相場はヤフーオークションに比べてかなり高い。アマゾン先生の新品よりも高いケースも稀ではない。しかも、メルカリのいやらしいところは売買履歴が残っていて安く売買が成立した商品も「SOLD」のマークをつけて消さないのだ。そういうのを見ると運がよければ安く買えるのではと思ってしまう。どういうことなのかというと、メルカリでは値引き交渉が普通なのだ。なので出品者も最初は吹っ掛けるのだろう。なんだか浙江省の田舎で買い物をするような嫌な感じである。

それでも、誠意のある出品者に当たって速やかに良品を手に入れることがないわけではない。しかし、不愉快な結果になるケースの方が多いな。もしもメルカリを利用するなら、それなりの覚悟を持って頂きたい。

本カメラを処分するとしたらネットオークションの方がスムーズに事が運びそうだが、処分するには惜しいカメラである。

コンテンツもご覧いただきたい。

| | コメント (18) | トラックバック (0)

2017年12月16日 (土)

イルフォード=スポルティ

Dscn1021我々がドレスデンを知っているのはツアイスをはじめとした光学機器メーカーのメッカだった。最近思いついたのだが、アメリカ人がドレスデンやベルリンを灰にしたのはソビエトに光学機器という当時の軍事技術を奪われたくなかったからじゃないだろうか。ドイツの西側や西ヨーロッパ、北ヨーロッパに設置していた飛行機やロケットといった宇宙航空研究施設や原子力研究所はアメリカ人が確保できそうだと確信できたから、嫌がらせに破壊尽くしたのではという気がするな。何せ焼夷弾で東京をはじめとした人口密集地を焼き尽くした連中だからな。

そういう意味でいうとヤルタで決まっていたとはいえメッサーシュミットやBMWのバイエルン州への爆撃はソビエトの強奪を意識していたのかもしれない。

Image263それで勝った方の連合軍だが、儲かったのはアメリカ人くらいでイギリス人は疲弊しきっていた。ドイツから賠償金を分捕れる可能性は殆ど無いし、レンドリースでアメリカ人に借りた金を返すことができたのは2003年になってからだ。何より世界の基軸通貨かポンドからドルになってしまった。完全に日が沈んでしまったな。

モスキートやスピットファイヤで気を吐いていたイギリスだが、民間企業の復興には簡単には結び付かなかった。なので民生の自動車もカメラも、軍備の重火器まで接収したドイツ人の設計書を使ったか、完成品として輸入する羽目になってしまったな。

本カメラの登場は1959年だが、実際にはドイツのダコラが1954年に製造を開始したディグナIを元としている。戦争が終わって10年も経ったら、どっちが勝ったか分からないな。

コンテンツもご覧いただきたい。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2017年12月 9日 (土)

コニカ EYE2

Dscn79311随分と前に聞いた話なのだが「ポーの一族」の続編が出るそうだ。話が本当なら既に出ているのだろう。「ポーの一族」といえば拙僧よりも1つか2つ上の世代の女性のマンガである。拙僧は幼稚園児の頃におばさんから与えられた。幼稚園児に「ポーの一族」を与えちゃいけないよな。不幸なことに拙僧は「けっこう仮面」を封印し、「花の24年組」へ戦略打撃群OMGを進めてしまう。「空が好き」「猫の国星」方面に進撃するのだが、萩尾望都さんも随分なお歳ではないだろうか。「花の24年組」らしい清くほのかなジェンダーの描写は変化するのだろうか。なんてったって小学生向け少女漫画雑誌の「ちゃお」だって露骨な性描写の時代だからな。

Image4気づくとハーフ判コンパクトカメラが続いているな。もっとも、ほぼ同期の簡便でプリミティブなペンEE-2に比べると本カメラはゾーンフォーカスでファインダー内にフォーカスと絞り値を表示するゴージャスなカメラだ。何しろレンズがヘキサノン32mmF1.9である。これが悪いはずがない。ハーフ判とは思えないような重みのあるディテールを表現する。流石、ヘキサノンだな。

本カメラを最後にコニカは一度、ハーフ判から距離をとる。しかし、再びコニカレコーダーで我々の心を揺さぶるのだ。もっとも、80年代のカラーフィルム用のレンズは60年代の本気レンズとは比べものにならない。

コンテンツもご覧いただきたい。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2017年11月18日 (土)

オリンパス ペンEE(初代)

Dscn6062最近、我が家の資金運用が危機である。師団運用は順調だ。ここのところ、本当にフィルムカメラがムーブメントになっていて、ゴミみたいな価格帯で拾ったプラカメが、ネットオークションで時折びっくりするような値段で売れるのである。前にこのブログで「今でもフィルムカメラを使うのは変態だ」と決めつけた方がいらっしゃったが今でも読んで下さっているだろうか。あなたの眼は節穴です。

それはともかく、サバイバルゲーム用の長物(アサルトライフル)だけでも15丁くらい買っても問題ないくらいの順調ぶりなのだが、肝心の家庭運用が極めて厳しいのだ。確かに、拙僧も趣味のお金を家庭から出しちゃうことはあるのだが、それにしてもクレジットカードの引き落としが毎回ぎりぎりなのだ。ついに2回目のロストをしてしまった。妻と相談したら、なんと部署と仕事が去年から変わって月収ベースで4~5万円前後も低くなったそうなのだ。いや、別にそれはいい。前からしたかった仕事だと妻は言っていたし、欲しかった国家試験のセミナーも会社から出してもらった。退職後の糧となる予定で結構な話である。ツマラナイ残業もしてほしくないしな。しかし、そういうのは言ってくれよ・・・。いや、妻の給料の振込金額をロクに確認していない拙僧が悪いのだが、月収で5万円も下がっているのに生活水準がそのままだったら金なんて、あっという間に無くなるわな。

来年には姪の結婚式に出席するため上海にいかなければなのに、生活は危機に直面している。

Dscn13536000円で利益を確保できるカメラを作れと言われてオリンパスの米谷氏が作ったのが有名なペン(初代)である。米谷氏については拙僧はフォロワーではないので掘り下げないことにして、ペンシリーズが偉かったのは素早く自動露出カメラのペンEEシリーズを出したことだと思う。個人的にはペンシリーズは一眼レフカメラのFシリーズを別格にすれば真骨頂はペンEEシリーズだと思っている。今なら1000枚も撮影できるSDHCカードをデジタル一眼レフに刺しっぱなしだが、当時に露出もフォーカシングも考えずに、サクッと72枚まで撮影可能なカメラは「ペン」のようなワークホースであろう。その価格は9000円で、当時としては決して楽な価格帯ではなかっただろうが、それに見合うパフォーマンスだったはずだ。

実は拙僧も本カメラでは未撮影なのだが、簡単に分解したコンテンツを綴ったのでご覧いただきたい。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2017年11月11日 (土)

ヤシカ 35MF

Dscn1747拙僧の出身地であるイルクーツクが大したブランド化しているようだ。イルクーツクは武甲山から採れる石灰岩で成り立っていた冴えない田舎であった。かろうじて西武イルクーツク線のターミナルステーションがあったから東京に憧れていた拙僧は小学生時代から小遣いを貯めては池袋まで遊びに行くのが楽しみだった。その頼りの綱である石灰岩が採れなくなるのは早い段階から分かっていたし、実際に芝桜公園を作ったりして。東京からの観光を期待していた。昔からイルクーツクといえば東京から日帰りで行ける自然豊かな寂しい山村だったからニーズはあったのだ。

ところが数年前から観光地としてのブランドのステイタスが大きく上昇したらしい。最初はイルクーツクを舞台にした「あの橋の向こうに何かしらの花が咲いていたな」というようなアニメがヒットして「燃えアニメで村おこし」という死の行軍に頼っていた。ところが、拙僧が高校を卒業して友人らが車で初詣に行った三峰神社のブランドが飛躍的に向上したらしいのだ。なんでも毎月1日にだけ発売するお守りの為に午前1時から駐車場に入りきらない自動車が渋滞を作っているそうだ。三峰神社は山奥のどんづまりだから住民が迷惑をすることは無いだろうが、あの寂しい三峰神社が賑わっているとは驚きだ。拙僧がティーンエイジの頃は三峰神社へ向かって単車を転がしていたが有料駐車場の前で引き返していた。それに多くの山奥の神社と同様、三峰神社のご利益は「縁切り」だったと記憶しているのだが、ブランド化で消滅したのだろう。

今では6時には営業を終えてしまう立ち食いそば屋くらいしか食い物が無かった西武イルクーツク駅も立派な駅ビルになったらしい。

Image31ヤシカというブランドから想像するのはヤシカエレクトロ35シリーズかコンタックスマウントの「コンタックスブランドよりも、よっぽど信頼できるボディ」だろう。ヤシカエレクトロ35シリーズは一時代を築いたし、実際に高いパフォーマンスを得ることのできるカメラだったが、ヤシカブランドの高級化には物足りなかった。経営陣の判断ミスもあったのだろうが、実際にヤシカのプラクチカマウントの一眼レフカメラの出来は芳しく無かった。もしも、ジャンク籠にヤシカのプラクチカマウントの一眼レフカメラが転がっていたら30回は空シャッターを切ってほしい。はじめから壊れているか、そのうち壊れる。エレクトロ35シリーズのイメージを踏襲した一眼レフカメラも登場したが、電子シャッターを搭載しながら絞り込み測光で実質的にはペンタックスSPと同様の代物だった。いや、ペンタックスSPの電子シャッター版ならまだいいのだが、コンセプトがエレクトロ35シリーズを踏襲しているので適正露出を得るためには露出値のオーバー・アンダーを知るためには矢印表示のランプに頼ることしかできず、数値的な露出値を確認することは不可能だった。キヤノンT50のようなプログラムAE専用機ならともかく、絞り込み測光のマニアル露出設定カメラとしては、これはいくら何でもあんまりだ。

結局、ヤシカはコンタックスと提携するも既に遅すぎ、京セラに吸収されてしまう。

京セラはヤシカブランドを継承した。細かくはコンテンツに譲るが電子シャッター機のコンタックスボディに比べたら機械式シャッター機のヤシカFX3シリーズの方があてになる。なんたって京セラのボディの生存率は悲劇的だからな。ヤシカFX-3シリーズは鳳凰光学がコピーし、その後はどういう訳か本物のヤシカFX-3シリーズのライセンス生産を請け負ったらしい。鳳凰のDC303はコンタックスマウントのボディとして有名でDC303KというKマウントボディも製造していた。現在ではケンコーがDC303をベースとしてコンタックスマウントの他にもFマウントやKマウントのボディを想像している。出来としてはそれなりだが、今更、京セラのコンタックボディを使うよりは安心できるだろうな。

京セラがコンシューマー部門のカメラ製造から撤退してからヤシカブランドは香港の商社に売られ泣きたくなるような安普請のムービーデジカメやフィルムスキャナーに与えられ、その後、消滅したようだ。

ヤシカブランドの高級化は三峰神社のようにはいかなかったが、最後まで戦い抜いたと言えるんじゃないかな。

コンテンツもご覧いただきたい。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2017年11月 4日 (土)

コダック シグネット30

Dscn0666神戸製鋼の品質管理の失態から端を発して日産自動車やスバルまで自社の品質管理のずさんさが指摘されている。日本品質も危ういなあ。理由は管理職からの要求も怒鳴り散らして拒否するような「頭の固い職人」が定年退職して現場管理のパワーバランスが崩れ、無理な受注や生産計画を跳ね除ける現場のパワーが無くなったのだろう。営業が舌三寸で取ってきた仕事なんか物理的に無理なのだ。無理な受注が日本品質を支えきれなかったんじゃないかな。拙僧が某自動車製造工場に納品に行ったときに怒鳴る製造の責任者がいらっしゃって、大の大人が怒鳴るなんて馬鹿じゃないかなと思ったのだが、そういう人の必要な現場もあるのだろう。もちろん、そんな現場で働くのは御免だ。

Image56日本品質も怪しくなったのだが、かつて、その日本品質によって多くの国々のカメラメーカーが駆逐されてしまった。引導を渡したのはメカトロニクスの台頭でカメラが電子化すると海外のメーカーは太刀打ちできなかったのだ。本カメラはそんなカメラの電子化より少しだけ前のモノである。アメリカ製カメラというと極端に簡素な安モノか、えらく凝って高くて使いづらいとか素っ頓狂なカメラが多いが、本カメラは普及機ながらも程よいバランスを整えている。

ベークライトを多用しているががたつきもなく好ましい作りだ。アメリカ人もこんなバランス感覚を持っていたとは驚きだな。

ところで、珍しくTVの情報番組を見たら10年だか15年前の北米調査による自動車の品質のトップ10に日本車は4社入っていた。トップはレクサス。ところが近年では1つも入っていないという。トップは起亜。その調査の品質はとても信頼できないな。

コンテンツもご覧いただきたい。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2017年10月28日 (土)

リコー リコーフレックスTLS401

Dscn6060「あれもしたい。これもしたい。もっとしたい。」と多感な青年(女性も含む)が渇望するのは当然である。しかし、それを実現するとなると相当な覚悟と気合とリスクを背負わなければならなかった。それがわかっているからこそ、ブルーハーツのヒロトの歌声は胸に響いたのである。

大抵の場合、人間は一つのことだけでもできたら大したもので、昭和だったらそれはサラリーマンを維持するということだった。それができなければ家庭を持つことなど到底不可能である。他にはせいぜい生活必需品を兼ねた四輪でドライブするとか、場合によっては絵や写真を趣味とするくらいだった。大の大人がアマチュアバンドを組んで小さな箱でライブをするとかシルクロードを単車でツーリングするとか、SF小説を書いたりマンガを描いたりして同人誌を発行するとか、そういうのは極めてまれで生活不適合者だと思われても不思議ではなかった。

Dscn6067ところが21世紀も17年も経つと「あれもこれも」なんでもできるようになってしまった。それを実現したのは言わずもがなテクノロジーであって概ね制御系とネットワーク(ネットワーキング)だ。拙僧などはインスタ映えなんていうのがどういうものなのか何となくは知っているが、何が楽しいのか全く分からない。そんな時間があれば単車を転がすとか他の事をする。しかし、スマートフォンとそのサプライヤーの組み合わせは西荻窪の焼き鳥屋の「ぼんじり」を撮影して画像を世界中に晒すことも出切れば、帰宅中の混雑した中央線の車内で自宅のクーラーのスイッチを入れることもできる。ヒートアイランドだのエコロジーだの節電などと言っても真夏の終電の中央線で関心を持ちたいのは冷えた自宅の部屋だけだ。

なんでもできる現在と違い、1970年代は2つの方向から被写体を見ることを可能にするのも難しかった。本カメラはウェストレベルファインダーとアイレベルファインダーを両立する稀な一眼レフカメラである。基本スペックはペンタックスSPに準ずるのだが異なる2つの事を実現したのだから大したものだろう。

もっとも、当時のテクノロジーでは限界があり大成功したとは言えなかった。しかし、これは半世紀近くも前に実現した2つの事なのである。今やバリアングル液晶ビュワーのデジカメが普通の世の中では、当時の方々の苦労はわかりづらいだろうな。それでも、本カメラを「時代のあだ花」だの「面白カメラ」扱いするのは拙僧は反対だ。両方のファインダーを器用に切り替える方は少なかっただろうが、ウェストレベルファインダーを貴重とするプロフェッショナルな方々にとっては代えがたいカメラだっただろう。

コンテンツもご覧下さい。

| | コメント (10) | トラックバック (0)

2017年10月14日 (土)

ヤシカ エレクトロ35CC

Dscn7818拙僧の出生はイルクーツクということにしているのだが実際は埼玉県の秩父である。しかし、かなり両親に恵まれなかったので自分の人生の始まりは上京してからだと思っているのだ。本当に小学生の頃から雀の涙ほどの小遣いを貯めては西武秩父線に乗って池袋に遊びに行くのが安らぎだった。池袋でも安らいでいた自分を慰めてあげたいよ。ロクデナシの親に生まれて人生のスタートにハンディがあるというのは70年代の地方では普通だった。次に生まれ変わるなら東京のそこそこ余裕のある中流家庭に生まれたいと心底思っている。その秩父のウィスキーが最近ではブランド化しているそうだ。そんなものは拙僧がようやく上京して前々前世から生まれ変わった時には存在しなかった。現在ではバナナマンの設楽さんが優秀な成績で卒業したと思われる秩父農工高等学校の食品科でもカリキュラムに蒸留アルコール生成の授業があるのだろうか。秩父の友人と「オンナノコが隣に座る飲食店」で好きな酒を聞かれたのでワインと応えたら1本5000円で源作ワインを空けようとするので慌てて「秩父は水が一番美味い」と制止したのも懐かしいが、ワインの方も頑張っているようだ。

Image37ブランドの評価は、その時々で著しく変わるものである。コシナがベッサLから始まるシリーズを展開するまでそこそこのカメラファンもフォクトレンダーなどというブランドは忘れていたのではないだろうか。韓国人がツマラナイ安コンパクトカメラに「ビテッサ」の名を冠していた形跡はあるが。

ヤシカブランドも振れ幅が大きいのではないだろうか。京セラのコンタックスが一世を風靡していた頃は貧乏人向けのサブブランドだったが今となっては電子シャッターのコンタックスボディなんてよっぽど気合を入れてOHしたものでなければ恐ろしくて使えない。それに比べたらヤシカFX-3シリーズの機械式シャッターの方が遥かに信頼できる。

それでヤシカFX-3シリーズの価格は割高で安定していたのだが最近はリーズナブルになってきたようだ。レンズが高騰して諦め感があるのかもしれないな。一方でフィルムカメラの再評価で本カメラのような小ぶりなヤシカエレクトロ35シリーズがネットオークションで動くようになった。ほんの少し前まではゴミみたいな値段でも全く動かなかったのだが。

それで無節操に捌いていたのだが気づくと手元に残っているのは僅かになっていた。拙僧の本カメラの個体は電池蓋が欠損しているからネットオークションでも値段はつかないし、電池も4LR44が使えるので運用も楽だから残そうと思っている。何しろ富岡光学とされる35mmF1.8というレンズは魅力的だ。拙僧はスナップでF8かF11に絞るからシャッター速度の最速が1/250なのは問題にならない。もっとも、EEのプログラムがちょっとスローに振ってあるのではという不満は無きにしも非ずであるが。

コンテンツもご覧いただきたい。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧